うなぎ屋さん探訪187~東京都台東区「やっ古」

うなぎは大好物である。

創業は寛政年間(1789~1800年)
徳川将軍は第十一代家斉の時代だ。
当時は「奴鰻」という店名で現在とほぼ変わらぬ
浅草田原町で変わらぬ場所で営業をしていたようだ。
当時は浅草寺の参拝客でにぎわった様子が
『江戸買物独案内』(1824年)に「奴鰻」と記されている
また『江戸前大蒲焼番付』(1852年)にも
西の前頭筆頭として紹介されている。
他にも夏目漱石などの文学にも「奴鰻」登場する。
東京都台東区「やっ古」さんを探訪する。

浅草駅から雷門通りを雷門方面へ歩く。
賑わっている雷門前を通り過ぎ
いくつかの老舗飲食店を通り過ぎ
T字路の田原町交差点に鰻田原町やっ古がある。

大型の木製看板に蒲焼やっ古とある。
店頭にはメニューも出ていて値段を確認することができる。
店内に入ると和服姿の女将さんに出迎えられる。
おひとり様なので二人用のテーブルに
座ろうとすると、4人用のテーブルに案内される。

一階はテーブル席、10卓ほどあるだろうか
他に個室和室や広間もあるようだ。
内装、調度品は大正ロマンの雰囲気。
広々とのんびりとした空間だ。

メニューはうな重椿2400円、梅2780円、
桜3600円、桐5300円とある。
グレードで鰻の量と大きさが違うとのこと。
この桐などは鰻2尾分の蒲焼のお重だ。
他にはうな重にデザートなどがついた、うな重定食や
会席料理のコース、一品料理も充実している。
肝吸いが苦手な方は、なめこの味噌汁も選ぶことができる。
人気があるという、梅2,780円で肝吸いをお願いする。

店員さんは和服にエプロン姿、
これがまた大正時代的な雰囲気を盛り上げる。

待つこと5分、うな重登場。
皮、身とも柔らかく、ホクッとした身だ。
身の厚さは普通。
タレは醤油系控え目、身に程よくタレが染み込んでいる。
身の脂はしっかりと落とされあっさりした蒲焼だ。
ご飯の炊き加減が硬めで好み。漬物には奈良漬が入る。
ちょっと山椒をかけていただく
ピリッと舌がしびれる山椒でスパイシー。

年齢層はやや高め。
古くからの常連のお客さんが多いようだ。
地元地域の情報交換をしている。

会計時、女将さんが
「今日は一番寒いみたいねえ」と。
そういった一言も忘れない。

店を出て、地下鉄田原町駅方面へ歩く地下鉄の入口周辺には仏具店が並ぶ。
江戸時代には、現在の上野駅前周辺地域を仏店(ほとけだな)といったそうだ。
その名残がここに残っている。

探訪日:2013.02

「やっ古」
所在地:東京都台東区浅草1-10-2
定休日:

・お店のホームページ
http://www.asakusa-unagi.com/

・食べログでのお店の詳細情報。
https://tabelog.com/tokyo/A1311/A131102/13016652/

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