うなぎ屋さん探訪188~東京都港区新橋「大和田新橋店」さん

うなぎは大好物である。

大和田と名のつく鰻屋をよく見かける。1852年(嘉永5年)の江戸前大蒲焼番付表には、尾張町の大和田をはじめ10軒ほどの大和田が行司として掲載されている。江戸時代の大蒲焼屋チェーンだったようだ。

現在この大和田という店名が多いのにも諸説あるようだ。江戸中期に千葉の大和田出身者が創業したのではないかとか。摂津国佃村と大和田村(大阪府大阪市西淀川区)の漁師が江戸に移住し、その土地には佃島(東京都中央区佃)と名付けられ、その漁師たちの始めた蒲焼屋が大和田と名乗り、暖簾分けによって大和田という店名が多かったという説もある。東京都港区新橋「大和田 新橋店」さんを探訪する。

そんな「大和田」への興味から、新橋の鰻割烹 大和田へ行ってみることにする。
創業は1893年(明治26年)、尾張町大和田より暖簾分けを許され有楽町にて開業、大正末期2代目浅井氏より暖簾を引き継ぎ、戦前は12の多店舗展開をしていて、当時の本店は新宿にあったが、1931生(昭和6年)開店の新橋店に力を入れ、戦後は本店を新橋に移し、現在に至るのだそうだ。系譜的には数ある大和田では一番古いようだ。新橋店と銀座コリドー店の2店舗がある。

新橋駅日比谷口を出てカフェPRONTの細い路地を入る、駅から1分程度歩くと”うなぎ”のノボリが見えてくる。店内はボックス席とテーブル席、他に座敷個室もあるようだ。昼過ぎだが席は半分ほど埋まっている。男性店員はブラックのフォーマルスーツ、女将さんは着物姿で接客している。

メニューはうな重梅2300円から竹3500円、松4600円、特上5800円。7月から値下げしたと書いてある。グレードで鰻のサイズ大きさが違うとのこと。吸い物はつくが肝吸いは別料金。竹3500円をお願いする。他には、ひつまぶしなどがある。

待つこと7分、うな重登場。皮はやや厚めだが柔らかい。身はやや厚め、トロッとした身だ。表面をパリッと仕上げてある。脂のノリはよく、かなりボリューム感がある。

タレは醤油系やや甘め濃いめ。ご飯の炊き加減はちょうど良い。お麩が入った柚子風味の吸い物がつく。江戸の老舗の流れというと、あっさりした蒲焼を想像するのだが、なかなかボリュームのあるこってり系のうな重だ。

会計時に女将さんに「大和田」について聞いてみた。昔の暖簾分け制度によるもののようで。やはり江戸時代からの流れまでは不明のようだ。鰻大和田を巡ってみても面白いかもしれない。

探訪日:2013.02

「大和田 新橋店」
所在地:東京都港区新橋2-8-4 新橋MSビル2号館1F
営業時間:11:00~22:00、土曜日11:00~20:30
定休日:日曜日、祝日
電話:050-5872-3244

・お店のホームページ
https://www.unagi-oowada.com/

・食べログでのお店の詳細情報。
https://tabelog.com/tokyo/A1301/A130103/13015279/

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