うなぎ屋さん探訪455~幻のブランド鰻をいただくなら「甘露煮せしも」

うなぎは大好物である。

当ブログをご覧の方はご存知かと思うが、うなぎにもブランド鰻というものがありまして、その中でも私が一押しなのは全国でも30軒ほどしか鰻屋さんのお取扱いがない静岡県の幻の共水うなぎ。この共水うなぎについてはこちらをご参照。

最近埼玉の北端へ引っ越しまして、この周辺のお店も探訪しているところでございますが、以前から気になっていた共水うなぎを扱う鰻屋さん「甘露煮せしも」さんが近くなったようなのでやっと店主の瀬下氏にお会いすることができそうだ。

甘露煮せしもさんは、2020年12月に店舗の改装を行った。改装後の訪問となる。まずはせしもさんのホームページを見てお品書きをチェック。そして注文するものを決めて予約する。甘露煮せしもさんは完全予約制のお店なのだ。なぜ予約制なのかは後程触れることにする。

さて、予約当日。このところ1日1万歩を目標に歩くことにしている。そしてなんだか美味い鰻で一杯やりたい。ってことは車じゃだめだ。電車と徒歩で向かうことにする。お店の場所は栃木県、東北線の野木駅から5.5キロほど。タクシーで向かう方法もあるが、歩いていくことにする。だいたい5.5キロで1時間、一万歩くらいってところだろう。

東北線野木駅の西口をまっすぐ田園地帯を1時間ほど歩く、歩いているあいだ、人とは出会わないまったく密ではない。途中、自動販売機もコンビニもないので夏場はお勧めしない。画像の真ん中に見えるのが甘露煮せしもの店舗だ。

改装したてで敷地内の舗装が新しい、駐車場は広く車で来ることをおススメしたい。駐車場の奥に雑魚やモロコ、鮒などが入った生簀がある。そう、ここは甘露煮の専門店なのだ。

店内右手に甘露煮の販売用の冷蔵ケースがありその奥に調理場焼き場がある。カウンター席5席とテーブル4卓、奥には座敷テール席が5卓ほどある。様々なシーンで利用できそうだ。

店主の作業を見るのが好きなので調理場前のカウンター席に座らせていただく。完全予約制のため店内にメニューは無い。

予約は12:00だが30分前くらいに到着してしまった。これから炭をおこすという。鰻をいただくときに待つのは全く苦にならない。捌いて時間がたってしまうと身がぺったりとしぼんでささまうので、裁きたての身を串打ちする。捌きたての身は肉が盛り上がってくるのだそうだ。

歩きまくったのでビールで喉を潤す。揚げたての骨せんべいがとてもナチュラルなお味だ。

先付。雑魚の甘露煮ができたてだという。左から雑魚、鮒、牡蠣。小さいころ墨田で生まれ育ったので良く甘露煮が食卓にでたのだが、なんだか硬くて甘辛すぎてあまり好きではなかった。鮒の甘露煮を一口いただくとホロッと口の中で砕けて溶けていく、こんな甘露煮ははじめてだ、これは旨いじゃないか。

冷酒もお願いした。地酒新派。スッキリと飲みやすい。この地酒はコメ農家の「NIPPA(ニッパ)米」の代表が自ら生産した酒米・山田錦で飯沼銘醸に醸造を委託し出来上がったものだ。この辺りでしか流通していないい酒だ。

そして茄子の煮びたし。出てくるものにスキが無い。酒もすすんでしまうじゃないか。ようやく本焼きに入ろうというところだ、もうそろそろだ。

トイレをお借りする。「音入れ」と書いてある。一瞬戸惑うが、店主のこだわりのある遊び心がでている。

いよいよ、幻のブランドうなぎ共水うなぎのうな重が登場。重箱の蓋を開けた瞬間の香りが違う、もう何度も体験してきたはずの重箱開封の儀の時の香りなのに。うなぎの香りが先に来るのだ、そして炭焼きの香りバランスが良い。

皮も薄く柔らかい、身はトロトロとした食感ながら香りと旨味がすごい。共水鰻の特徴と良さを十二分に引き出している、お見事だ。タレはあっさりとしたタレで、共水の旨味を引き出すタイプだ。ちなみに私が飲んでいるからとご飯を少なめの盛りにしてくれた。

肝吸いではなくお味噌汁が付いてい来るのだが。この出汁がうまい。以前、お客さんに味噌汁の味がしないと言われてしまったのだそうだ。しかし忠実にふんだんな出汁をとってある味噌汁だ。それだけ現代人は化学調味料に慣れ過ぎてしまっているのだ、皆さんも是非確認しに行ってみて欲しい。出汁の味、香りを感じることが出来るか。

肝焼きもいただいた。やはり香りが良い。鮮度も良いのだろうがまったく雑味は無い。

店主瀬下氏の仕事がひと段落したようだ。いろいろお話をさせていただく。店主は麹町の秋本さんで修業している。ということは、瀬下さんのタレもさぞかし甘いだろうと思っていたのだが、あっさりさらっとしたさりげないタレだった。麹町の秋本さんのタレがなぜ甘いかなどのおはなしも聴けて勉強になる。瀬下氏はたくさん遊んだのだそうだ、決して遊び人という意味ではない海外渡航などしてたくさんの経験をしているということだ。店主瀬下氏の経歴や甘露煮せしものこだわりなどは是非ホームページを見て欲しい。

完全予約制にしているのは一品一品時間をかけて作り上げていくのと、作業の一つ一つに矛盾が出ないようにするためである。ある行程で矛盾が出てしまったら後の行程まで影響して目指すものが作れなくなってしまうのだ。

※どうかチャンネル登録をお願いいたします。

ナチュラルなお味で、身体がスーッと受け入れている気がする料理であった。普段は化学調味料にまみれた食事をしているが、本来の味を再確認するためにもまた訪れたいお店でございます。

探訪日:2020.12

「甘露煮せしも」
所在地:栃木県栃木市藤岡町石川315-2
定休日:火曜日

・お店のホームページ
http://www.unagi-seshimo.jp/

・食べログでのお店の詳細情報。

甘露煮 せしも和食(その他) / 藤岡駅野木駅
昼総合点★★★★☆ 4.8

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