うなぎ屋さん探訪391~北区浮間「行田屋」

うなぎは大好物である。

浮間舟渡の「行田屋」さん何年振りだろうか。過去のブログ記事を見返すと2008年3月、8年ぶりか。たまたまツイッターであれ?もしかしてという思いから、どうにも気になってしまった。この行田屋さんのうなぎを食べて、うなぎ蒲焼の不思議な魅力にはまることになったんだったなあ。

というのは、当時二代目店主から「うちのは、蒸さないんですよ。」と聞いていたことだけがひっかかっていた。蒸さないとは関西風なのか?でもこのトロッとした身はなんだ?関東風なのか??こんな疑問が出発点となったのかもしれない。あれから、いくつかの鰻屋さんで蒲焼を食べさせていただいた。8年越しにこの不思議な疑問が解消されるのか?

浮間舟渡の「行田屋」さん。現在は三代目店主が引き継いでいる二代目店主の甥っ子にあたるのだそうだ。二代目店主もご健在でご挨拶させていただく。

三代目店主にあの時の想いを話す。

「行田屋」さんは1948年(昭和23年)に初代が早稲田にて創業したのだそうだ。当時は鶏などいろいろな食材を扱っていて老舗の鰻店とも交流があったそうだという。それでも蒸さない蒲焼のスタイルを変えなかったそうだ。

その後一時、雑司ケ谷に移転し現在の浮間舟渡へと移る。「初代の信念を曲げずに、地元の常連さんとともに仕事をさせていただいています」と言う、三代目若店主。若いご夫婦で「行田屋」の信念を受け継いでいる。

メニューは、シンプル。うな丼2200円、うな重上2300円より。極上2500円、最上3200円。当時よりお値段は上がっているのだがいまどき、二千円台でうな重がいただけるのは嬉しい限りだ。メニューの横には一人前から出前しますの張り紙、地域密着型のきめ細かいサービスだ。

ここにくると、迷わず”最上”を注文していたのだが本日は、”極上”のみとのこと。”極上”をお願いする。

素焼きしてあるうなぎを静かに取り出しタレ焼きする。そうそう二代目店主もこんな感じだったのを思いだす。

次第に身の表面がフツフツとして脂が出てくる。と同時に身がふっくらとしてくるのが分かる。

この色、照りと艶、そうそうこれだ。厚めの身は、ふっくらとトロッとした食感。いわゆる関東風の蒸を入れたふっくら感とは違う。脂のりもよくボリューム感も感じるがくどすぎない。タレはややコクのあり甘め、東京では珍しい甘いタレだ。しかし、甘すぎない、くどすぎない。でも普段、都内の辛めのタレに親しんでいる人からする甘いタレだと感じるのだろうが、これは個人の好みの問題ないので、このタイプが好きな人には癖になるうな重だろう。

蒸さないのだが、中部や関西の地焼のタイプとも違う。甘く濃厚な中部のタレの感じとも違う。長野岡谷あたりの甘濃厚から濃厚をさをちょっと抜いた感じだろうか。

なるほど、このタイプは見かけない。これは印象に残る、また食べたくなるうな重だ。8年前の疑問がちょっと解消されてきた。

初代店主は新潟出身なのだそうだ、そして、高度成長期に入っても蒸さないスタイルを変えなかったというところは故郷の味を伝え続けていたのではないかと想像してしまう。

そして、それを伝承する三代目若夫婦を応援していきたい。

探訪日:2016.05

「行田屋」
所在地:東京都北区浮間4丁目10-21
定休日:月曜日

・お店のホームページ

・食べログでのお店の詳細情報。
https://tabelog.com/saitama/A1106/A110601/11037733/

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