うなぎ屋さん探訪388~西東京市ひばりヶ丘「鰻のまこと」

うなぎは大好物である。

1928年(昭和3年)、現練馬区南大泉にて初代「割烹初音」として創業。1959年(昭和34年)より現西東京市ひばりヶ丘に移転し「鰻のまこと」として現在では三代目店主(辻木健さん)が営業をしている。20数年前まで店内飲食も行っていたのだが、地域柄、家族で食べるお客様が多く、鰻蒲焼を身近な物にしたい、極力食べやすい価格で提供したい。という想いから手の届く範囲のお持ち帰り専門店にしたのだそうだ。

「鰻のまこと」ホームページ
http://www.unaginomakoto.com/

「鰻のまこと」が目指す蒲焼とは”綺麗で艶があり、記憶に残るまたすぐ食べたくなる蒲焼”
そして、三代目店主(辻木健さん)はこう話す。

「お客様から手間賃を頂いて商売しております。」「お客様が支払う金額より上の価値のある鰻蒲焼を作るのが使命です」と。

今回は三代目店主(辻木健さん)より特別に動画撮影の許可をいただき職人の仕事とは何かを中心に動画でお伝えしたい。

https://www.youtube.com/watch?v=tSloyrM_XOg&t=152s
※どうかチャンネル登録をお願いいたします。

活鰻は水質に大変敏感だという。水が綺麗で地下水が豊富な場所で育った活鰻は鰻臭さがでないのだそうだ。細かく霜降りのサシの入った特上の活鰻を全く妥協なく矛盾のない仕事で蒲焼を作り上げる。

 

氷投入はせず、泳いでいるまま、生け簀からすくい店主自ら鉋で手入れをするという木製のまな板で特殊な刃先を細工した江戸前鰻包丁で割く。包丁、まな板、串、炭火といった生きた素材、生きた道具にこだわる。これも代々受け継がれてきたことであり、これを怠ると仕事に矛盾が出るのだそうだ。

活鰻を割くときに身に血を残す。これは「鰻のまこと」が目指す蒲焼を作るには欠かせないポイントのひとつだ。

血の残った身に熱を加えることで、これが強烈な旨味に変わるという。しかし、活鰻をシメてからほんの1~2分ほどの少しの時間経過で血が抜けてしまい鰻の身は別物になってしまうのだそうだ。

火を入れた時に薄皮が丸くならないように細かく腹に包丁を入れる。じっくり火を通すためだ。

皮目の刃打ちは、腹筋が強く身と皮の収縮率が違うための収縮率を埋める為に腹側だけ刃打ちを入れる。この作業により身の深部に熱を通しやすくなるのだそうだ。

串打ちには3ミリの竹串使用する。細胞が生きているうちに串打ちをする。身が盛り上がってくるのがよくわかるシメた直後で、細胞が生きているということだ。そして串打ち後は皮と身は合わせない。実は串打ち自体の作業には秘密がいっぱいだ、もうこれ以上は書けない。

備長炭を使用して素焼きをする。炭の柔らかい火で身の深部までゆっくり熱を通していく。より身が盛り上がってくるのがよくわかる。火鉢のなかの温度状態を計算された炭の置き方。

そして秘密の工程を経て本焼き。この工程で香ばしさを蒲焼に与えるのだそうだ。ここでタレは、鰻の身からにじみ出るエキスで作られるということの意味を知る。鰻の脂とタレの融合により旨味を最大限に引き出し蒲焼の立体感、美しい照りとツヤも実現する。「鰻のまこと」が目指す蒲焼、ここを目指すのだという。そのために各工程で行われるひとつひとつの作業を論理的に説明することができるのだ。これは美しすぎる蒲焼だ。

完成した蒲焼を見ると矛盾がない仕事の意味が分かってくる、職人の仕事とはこれなのだ。仕事において矛盾があるといいものができない調理工程のすべてにおいて、目指すべき蒲焼への論理的アプローチがあるのだ。そこに矛盾は感じられない、これが職人の仕事なのだ。

作るとはどういうことなのか、商売とはなんなのかを考えさせられた。

帰宅後実食。店主直筆の温め方の説明文が入っている。これはお客様への手紙なのだそうだ。間違っても電子レンジでチンはしていただきたくない。ゆっくり熱を加えるとあの照りが復活する。旨味が凝縮された鰻にはあっさりめのタレが合う。自然な甘みと旨味を楽しめご飯もすすむ。これを自宅でいただけるのは、ありがたいことである。

最後に、この動画、そしてこのブログ記事を書くにあたり三代目店主(辻木健さん)には、たいへんお忙しいところにもかかわらず技術的に詳しく丁寧な説明と動画撮影をご快諾いただいたことに感謝申し上げます。

探訪日:2016.03

「鰻のまこと」
所在地:東京都西東京市ひばりヶ丘北4-2-26
定休日:月曜日

・お店のホームページ
http://www.unaginomakoto.com/

・食べログでのお店の詳細情報。
https://tabelog.com/tokyo/A1328/A132801/13107535/

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