うなぎ屋さん探訪317~愛知県名古屋市「あつた蓬莱軒本店」

うなぎは大好物である。

名古屋と言えば「ひつまぶし」「ひつまぶし」と言えば創業1873年(明治6年)のあつた蓬莱軒。ひつまぶし発祥の店のひとつと言われている。そして「ひつまぶし」はあつた蓬莱軒の登録商標となっている。

あつた蓬莱軒は熱田区神戸町の本店をはじめ神宮店、松坂屋名古屋店と3店舗ある。以前、松坂屋名古屋店には行ったことがあるが、やはり、歴史ある熱田区の本店に行ってみたいところ。

このあたりは、東海道53次41番目の宿場町「宮の宿(熱田宿)」として人々で賑わった街だったようだ。本陣跡が地下鉄伝馬町近くにあったようだ。現在でも熱田神宮への参拝客で賑わっている。あつた蓬莱軒は、熱田神宮の南側にある。創業当時は料亭として蒲焼とかしわを出していたとのこと。

あつた蓬莱軒のホームページによると当時は出前が多く、丼を引き上げる際に丼が割れてしまうことが多かった。二代目店主が割れない木の器を考案、大きなおひつに数名分の鰻丼を入れて出前をするようになった。しかし大きなおひつでは、先に鰻ばかりがなくなりご飯が残ってしまう。そして、鰻を細かく切ってご飯に混ぜて出した。これが好評だった。大きなおひつで、鰻とご飯をまぜる(まぶす)から「ひつまぶし」となった。これが、「ひつまぶし」の由来なのだそうだ。

3月だというのに、非常に寒く雪がちらついている。本店の重厚感のある白い壁が見えてきた。お屋敷の入口のようだ。玄関に近づくと赤い作務衣姿の若いお姉さんが声をかけてくれる。一人客で予約をしていないことを告げる。履物を脱ぎ、真っ赤な絨毯の廊下を奥へと案内される。廊下には陶器などが飾ってあり高級料亭の雰囲気だ。

赤い作務衣の若くて綺麗なお姉さんが和室個室に案内してくれる。和室個室といっても相部屋なのだが。襖で仕切られた和室が多いようだ、中には和室にテーブル席もあるようだ。部屋からはちょっとした中庭が見える、雪が激しくなってきたか?

メニューは、ひつまぶし3600円。鰻丼(三切)2400円、上鰻丼(四切)2900円、特上鰻丼(六切)4100円。鰻の量(切り身数)でお値段が変わる。他には、長焼定食、うまき定食、お刺身定食、天ぷら定食などがある。うなぎ会席、季節の会席ともに9000円より。一品料理として、かしわの炭火焼、うまき、うざく、肝焼きなどがある。新メニューに肝の唐揚げというのがあった。今回、名古屋の鰻屋さんを何軒か訪問しているが、うな丼を頼んでいる。以前、ひつまぶしは松坂屋店でいただいたことだし、同程度の価格帯でいってみるか、鰻丼(三切)2400円を注文する。

待つこと10分、うな丼登場。
丼の蓋を開けると、やや大きめの蒲焼が三切れのっている。皮は薄く柔らかい、、身の表面はサクサクに仕上げてある。身はやや厚め、ジュワッとする柔らかい身だ。脂ののりがよくボリューム感がある。タレは、甘辛濃厚やや辛めコクのある濃いめ。表面のサクサクにもタレが染み込み、ご飯にもたっぷりとタレが染み込んでいる。名古屋の地焼のスタイルもお店によっていろいろあるようだ。漬物に奈良漬けがついているのは嬉しい。吸物はついているが、肝は入らず。

お隣の席は、女子二名で「ひつまぶし」を楽しんでいる。ちょっとづつ色々なお味を楽しみたい女子には「ひつまぶし」がよいだろう。大阪からのお客さんもいたりして、観光で訪れる人も多いようだ。この豪華な雰囲気の中で二千円台で老舗の鰻丼を楽しめる。でもやっぱり、あつた蓬莱軒では「ひつまぶし」なのかもしれない。居心地がよいので、長居をしてしまいそうになる外の雪がますます激しくなっている、宿まで帰れるか?

探訪日:2015.03

「あつた蓬莱軒本店」
所在地:愛知県名古屋市熱田区神戸町503
定休日:水曜と第2、4木曜日

・お店のホームページ
https://www.houraiken.com/

・食べログでのお店の詳細情報。
https://tabelog.com/aichi/A2301/A230112/23000063/

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