うなぎ屋さん探訪183~東京都文京区うなぎ「はし本」さん

うなぎは大好物である。

神田川の中流部、早稲田付近から飯田橋周辺を、かつては江戸川と呼んだそうだ。その名残が駅名に残る、地下鉄有楽町線江戸川橋駅。

江戸川橋駅から歩いて5分ほどのところに神田川にかかる石切橋がある。1661年~1673年(寛文年間)の架橋といわれる古くからある橋なのだそうだ。当然ながら現在は架け替えられ、コンクリート製のよくある橋である。その橋のたもとに1835年(天保6年)創業のはし本がある。東京都文京区「はし本」さんを探訪する。

東京都文京区うなぎ「はし本」さん

東京都文京区うなぎ「はし本」さん

江戸東京の多くの災難をくぐりぬけ、現在でも創業当時から変わらぬ場所で営業している。店舗は老舗でございますといった感じではなく、控え目な一軒屋だが、暖簾にはしっかり創業天保六年とある。

東京都文京区うなぎ「はし本」さん

東京都文京区うなぎ「はし本」さん

引き戸を開けると、白衣姿のおやじさんが気持ちよく迎えてくれる。一階には、4人用3卓、2人用2卓、奥には小上がりが3卓ほど。二階には座敷もあるようだ。

東京都文京区うなぎ「はし本」さん

東京都文京区うなぎ「はし本」さん

メニューはシンプル。うな重は上と並み、それぞれ2,500円、3,200円。グレードで鰻の質は同じだが、大きさが違うとのこと。うな重上3,200円をお願いする。肝焼き、ひれやき、鰻短串、向う骨もある。向う骨とは骨の周りの肉を集めて串にしたものだそうだ。一杯飲むのならいただきたいところだ。他には白焼き、親子丼、柳川などもあり。

後ろに座っているスーツ姿のお客さんは、ビールと肝焼きを注文している。どうやら肝焼きはないらしくひれやきにしたようだ。自分も一杯欲しくなる。この後、打ち合わせがあるのでそうはいかない。のんびりとしたスロージャズが流れるなか待つ。先に後ろの席のひれやきが登場したようだ。香りがたまんねえなあ・・・と。

東京都文京区うなぎ「はし本」さん

東京都文京区うなぎ「はし本」さん

待つこと25分、うな重登場。皮は柔らかい、身は厚めで大ぶりな身だ。なるほど、これがはし本のこだわりひね子なのか。ひね子とは、一年以上成長した鰻のことだ。ちなみに一年未満の鰻は新子という。

皮の脂のノリはよい。身の表面はパリッと仕上げてあり、フワッとではなく、ハラッっとする、やや歯ごたえを感じる柔らかい身だ。

東京都文京区うなぎ「はし本」さん

東京都文京区うなぎ「はし本」さん

タレは醤油系辛めのあっさりした感じ、鰻とのバランスも良い。ご飯はやややわらかめ、少々水分多めか。肝吸いは大ぶりの肝が二つ入っている。漬物には奈良漬が入る。江戸時代からの歴史を、静かに受け継ぐ鰻屋さんでございます。

探訪日:2013.01

「はし本」
所在地:東京都文京区水道2-5-7
営業時間:11:30~14:00、16:30~20:00
定休日:木曜日
電話:03-3811-4850

・お店のホームページ
https://www.unagi-hashimoto.jp/

・食べログでのお店の詳細情報。
https://tabelog.com/tokyo/A1309/A130905/13018616/

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