うなぎ屋さん探訪177~東京都千代田区外神田「明神下 神田川 本店」

うなぎは大好物である。

秋葉原から電気街方面に歩く。
右の耳からJ-POPが入ってくる。
AKBなのかモモクロなのかおじさんには判別できない。
神田明神下交差点を目差す。

商業ビル群のなかに「御蒲焼」と書かれた木製看板と
なんとも風情を感じる建物が現れる。
創業江戸末期1805年(文化2年)明神下神田川だ。
1852年(嘉永5年)の江戸前大蒲焼番付表では
西前頭13枚目に登場する人気店だったようだ。
東京都千代田区外神田「明神下 神田川 本店」さんを探訪する。

高級感溢れる入口は、入るにはちょいと勇気がいる。
ちらっと見える暖簾の奥では
団体さんが入っていくところのようだ。
近くの神田明神で新年の祈願を終えた団体さんが
会食するところのようだ。

入口は込み合っている
神田明神下交差点付近をうろうろする。
落ち着いたところで暖簾をくぐる。

若くかわいらしい仲居さんに迎えられる。
「ご予約は?・・・」
予約はしていない、一人だと伝える。
「お時間かかりますが・・・」
40分ほど時間をくださいとのこと。
待つことは全く苦ではない。

履物を預け、年期のはいった木製の廊下を案内される。
二重の襖を開け、松の間に案内される。
2人用テーブル3卓と中庭が見渡せる、カウンター席2席。
お好きなところにというので、中庭の見えるカウンター席にする。
2メートル以上ある一枚木のカウンターだ。
ガラス窓の木の質感、使用感
この風合いはだそうと思ってできるものではない。
赤茶系で統一されたテーブルとレトロなライティングは温かみがある。

箸と温かいおしぼり、そしてメニューを持ってきてくれる。
うな重のグレードで鰻の大きさと重箱の大きさが違うとのこと。
人気の食べ方を聞いてみた。
男性は大きなお重を好んで召し上がるのだそうだ。
また、お酒と白焼き肝焼きなど、いろいろ楽しむ方も多いそうだ。
昼時なのでうな重大3800円をお願いする。
吸い物はつかないので、赤だしも一緒にお願いする。

中庭を眺めながら待つ。
松の間に一人、静かな時が流れる。
隣の個室では鰻のウンチクに花が咲いている。面白い。
仲居さんが古い木製廊下を走る音が聞こえる、忙しそうだ。
宮川曼魚でも読みながら待つ。

待つこと45分、うな重登場。
皮は柔らか、身はやや厚め。
脂のノリも程よく、フワッとトロッとしている。
タレはキリッとした醤油系辛め。
濃すぎないタレと鰻がよく合っている。
ご飯の炊き加減はやや柔らかめながら、ちょうど良い。
タレの瓶も傍に置いてくれるのだが、ご飯にもたれがよく染みている。
ガツガツ食べてしまう。

やや濃いめの赤だしにはナメコが入る。
漬物には奈良漬、これ好きだなあ。
山椒は、蒲焼の一部に少しかけて風味を楽しむ。

都会の真ん中にいることを忘れてしまうような空間。
風情ある、なるほど納得のうな重でございます。

松の間に通されるときに、相席になることもあると言われたのだが
結局、一人で松の間でのんびりをさせてもらった。
お会計はテーブルにある黒いボタンで仲居さんを呼び、席会計。
サービス料込5082円。
けして安くはないが、普段使いではないうな重が楽しめる。

会計時に仲居さんから「つまらないものですが」と
お年賀をいただく。
1704年(宝永元年)創業「猿屋の楊枝」江戸名物の一つだ。
私は常連でもなんでもないのに、こういうのが粋だねえ。
こうしたちょっとした気配りもなかなかのお店だ。

探訪日:2013.01

「明神下 神田川 本店」
所在地:東京都千代田区外神田2-5-11
定休日:日曜・月曜・祝日・第二土曜日

・お店のホームページ

・食べログでのお店の詳細情報。
https://tabelog.com/tokyo/A1310/A131002/13000346/

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