うなぎは大好物である。
このインターネット時代はお店の存在をSNSで知ることも多い。インスタグラムやフェイスブックでフォローしていただいたお店があり、調べてみると春日の「わたべ」さんだ。私が鰻屋さん探訪を始めたころに水道橋春日周辺に鰻屋さんがあることは承知していたが、当時は特に気にも留めることはなかった。SNSの投稿を拝見していると「うなタク」や「うなぎキッチンカー」といった今までにないような取り組みをされているようなので、気になり「わたべ(和多遍)」さんを探訪することにする。
お店は都営三田線春日駅から徒歩1分ほどの至近。マンションの一階部分のテナントとして入っている。現在は外壁工事中のようで足場が組まれていた。入り口には備長炭使用店の看板が堂々と飾ってある。
入り口を入るとミシュランの赤本が。4年連続のミシュランガイド掲載店なのだそうだ。
さらに入り口右手には佃煮のショーケースがある。定番のザッコやえびが並ぶ。
古い木札を発見。昭和22年の水産物の販売許可証だ。もともと佃煮の小売りをしていたとのことだ、なるほど。
入り口で興味深くもたもたしてしまったが、テーブル席に落ち着く。半個室的なテーブル席が中心。奥には掘りごたつ式の個室席もある。暖色系のダウンライトとジャズなBGMで癒される。
このところ一日1万歩を目指して歩いている、この日も上野から春日まで歩いてみた。なので瓶ビールをいただくことにする。メニューはうな重上、特上、えんま重の3グレード、重量が書いてあり分かりやすい。ほかにも興味深い一品料理がある。
つまみのおススメは?と店員さんに聞いてみると鰻のレバー串を勧めてもらった。初めてのお店ではお店の人にいろいろ聞いたほうが良い。特にお店のお勧めにはあたりが多い気がする。
フォアグラかと思うほどのトロトロ感、レバー串ってパサついていることが多いが、このトロけるジューシー感はすごい。酒がすすむ。
飲みモードに入ってきてしまう。東京都の多満自慢をいただく。日本酒も月替わりで飲めるお酒が変わるようだ。グラスは木村ガラス製、随所にこだわりが見られる。
待つこと30分。わたべ名物えんま重登場。蒲焼と白焼きを同時に楽しめる贅沢なお重だ。ちなみにご飯は少なめにしていただいた。それでもお重の蓋が閉まらないほどのボリューム感のあるうなぎがのる。香りも良い。
えんま重はうなぎは三河一色産の3Pサイズの大きな鰻を使用している。うなぎ好きにはたまらない。蒲焼を一口口に入れると、なにこれトロける!とみんななるはず。タレはあくまでわき役的に控えめ。三河一色さんの鰻の上品な脂感のパンチがひきたつ。
続いて白焼きを一口。もはや飲み物である。何もつけなくても美味しくいただけるのだが、フランスのマルドンシーソルトをちょこっとつけるとうなぎの旨味甘みが前に出てくる。三河一色産のうなぎは中部地方の調理法で地焼きでいただくことが多いが、関東風の調理で極限までトロトロにしてあるところがマニアックだ。この大きさでこの柔らかさでは、焼いているところで串が外れてしまうだろうに、この辺りが技ありなのだ。
えんま重のセットには、ワサビ、のり、小ネギなどの薬味類が付いてくる。そして出し汁も出てくる。〆には鰻茶漬けを楽しめるようになっている。
鰻茶漬けなんてもったいなくてやらないのだが。やはり気になって薬味と出し汁でいただいてみる。うなぎと出汁のバランスが絶妙だ。
わたべ(和多遍)さんは三代目に代替わりしている。兄弟でお店を継承している。鰻屋さんでは継承問題も深刻になっているというのに嬉しいお店だ。兄は発想創作、弟は冷静な分析で参謀役、なんともバランスがとれている。コロナ禍でも鰻を食べていただこうと「うなタク」の企画を立ち上げている。これも多くの鰻屋さんの賛同を得ている。そしてうなぎキッチンカーでは地焼の鰻を提供しているという。完全な地焼きというわけではなく店舗て低温蒸ししたものをキッチンカーで焼いて提供しているのだそうだ、お店ではトロトロの関東風に仕上げ、キッチンカーでは地焼で提供するのが面白い。こちらも近いうちに行きたいと思う。
探訪日:2021.02.08
「わたべ(和多遍)」
所在地:東京都文京区小石川1-9-14 アトラスタワー小石川 1F
営業時間:11:30~14:00、17:00~21:30
定休日:火曜日
電話:049-262-5321
・お店のホームページ
http://unagiyawatabe.com/
・食べログでのお店の詳細情報。
>>いつもご覧いただき、感謝申し上げます。
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