天然鰻録007~秋の天然うなぎ試食会2011

うなぎの旬といえば夏の土用の丑でしょ?
実は肉がしまり、脂肪がこなれてくるのは、秋の下りうなぎと言われている。
平賀源内さんの当時は鰻は秋が旨いに決まってるだろ、夏に鰻なんか食うかよ。的な
風潮で夏の鰻屋さんはヒマだった。
夏の鰻屋さんにお客を呼び込もうと広告を打ったのが平賀源内さんだ。
「本日、土用丑の日」というキャッチコピーだ。

ありがたいことに再びH氏よりお誘いをいただいた。
秋の天然鰻試食会。
水温も低下して、餌も捕れなくなり鰻のかかり率も落ちてきたので
今年最後の試食会となる。

会場は八王子界隈では一番たくさん天然鰻を
裂いているのではないかといわれている「角喜鮨」さん。

「角喜鮨」
所在地:東京都八王子市片倉町344-1
定休日:水曜日

・お店のホームページ

・食べログでのお店の詳細情報。
https://tabelog.com/tokyo/A1329/A132904/13059868/

18:00道路を挟んだ店斜め前の駐車場に車を置く。
なんだか、川魚料理屋の臭いがしてくる。
鰻を蒸している香りだ。

もうすでに鰻が届いている。
今回は蒸しを入れた鰻も調理するので、時間がかかる。
昼間H氏が角喜鮨さんに持ち込んでおいてくれたのだそうだ。

これは、地焼き。
前回の鰻より脂の乗りがよく
焼いているとすぐに焦げ付いていくのだそうだ。
食べてみると、確かに身の中に詰まった脂がジュワーっと広がる。
この身のジュワッと感は蒸さない地焼きならではだろう。
蒸さないからといって硬い食感はなく、柔らかさのなかに霜降り脂が詰まって
鰻の味がよくわかる。これはすごい。
脂が凝縮されている尻尾の部分が好きだ。

こちらは蒸しを入れた鰻。40分蒸したのだそうだ。
見た目、焦げた感じが少ないのは蒸した後は炙る程度の焼きにしたからである。
これだけ蒸したというのに、やや身のぷりぷり感が残る。
少々水っぽい身になるが、鰻の風味はしっかりとしている。
蒸された分、ちょっとさっぱりとした鰻になる。

自分の好み的には、やはり地焼きかなあ。
せっかくの脂を蒸して落としてしまうのはもったいない。
せっかくなので、鰻本来の旨味とボリューム感を楽しみたい。
脂が凝縮された、ジュワッとした鰻が好みである。

地焼き天然鰻のにぎり。
鰻に酢飯はどうかと、大将も気にしていたが、
地焼き鰻の主張が強いので、酢飯はちょっとさっぱりした感じを与えてくれる。
やはり握りは酢飯に合わせたいところだ。

調理中に出てきた、ハリスと糸。
けっこう大きめのハリスを使うのだそうだ、2センチほどある。
鰻は暴れるので、強度のある糸を使用し、長めに切断されていることが多いようだ。
ナイロンの糸ではちぎられてしまうのだそうだ。
これが調理中に包丁にあたって取り出される。
天然鰻の御印と称して、うな重からハリスでてくるなんていう店もあるようだが
普通の調理をしていればハリスが包丁にあたって気が付くはずなのだ。

そして、これ。
上が鰻の骨。
下がアナゴの骨。
同じようで違うのだそうだ。
鰻の骨は頭から三分の一までは三角形だがその後ろのしっぽまでは平べったい骨。
アナゴはほとんど三角形でしっぽの部分だけが平べったい骨。
そのため裂き方、裂きやすさに違いが出てくるのだそうだ。
こういう、ウンチクもお寿司屋さんならではなのだ。

うなぎづくしの後は握りを少々いただく。
甘エビ、卵のりが嬉しい。

クルマエビ。
海老の旨みが凝縮さrている。

たこ。
これはH氏のお気に入りだ。

雲丹。濃厚な味わい。

角喜鮨さんにお任せの巻物。
海老+海老+頭のミソ+卵=濃厚美味。
ミソをソースにしてフレンチのような盛り。
なんとも創意工夫の大将なのである。

ちなみに、ノンアルコールビールも置いてある。

寿司屋のカウンターは面白い。
旬の魚の話や、調理の仕方の話から
今年還暦になったという大将の趣味、サーフィンやダイビングの話。
雑学に触れながら、旨い素材をいただくことができる。

やはり寿司屋のカウンターに来ると
緊張される方もたくさんいらっしゃると、大将。
最初にだいたいの予算をおっしゃってくれれば
お客さんの好みなんかを、お聞きしながら握ります、と。
食べてる順番で、具材替えたり味付け替えたりしてます、と。

自分も若い時には
注文する順番間違えたら怒られるかな?とか、金足りるかな?とか
カウンターケースに旨そうなのあるけど、魚の名前分からねえ?とか
頑固な大将に、お前に食わす鮨はねぇって言われたらどうしよう(笑
まあ、そんなこと言う店には二度といかなきゃいいわけで。

中にはメニューさえないことが多いお寿司店。
時価なんて書いてあるお店。
たぶん、カウンターに座ったら、予算を言って
大将にお任せでっていうのが、一番満足度高いかもだ。

そうすると、大将もお客さんの好みを聞き出しながら握ってくれるはず。
魚には旬があったり食べ時があったりする、その時期には無い魚もあるわけだ。
知らないことは、魚の専門家に聞くのが一番だ。

とまあ、街の寿司屋のカウンターについて考えてみた。

天然うなぎ
いつも貴重な経験をさせていただいた、H氏ありがとう。
寿司屋で鰻を調理してくれた角喜鮨さん感謝でございます。

記事日:2011.11

「角喜鮨」
所在地:東京都八王子市片倉町344-1
定休日:水曜日

・お店のホームページ

・食べログでのお店の詳細情報。
https://tabelog.com/tokyo/A1329/A132904/13059868/

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