鰻供養うなぎ伝説を探して~三島”湧水に恵まれた水信仰”

三島のうなぎについて三島商工会議所の方に
お話を伺ってきた。

■三島のうなぎ伝説■
三島の街は古くから水の都と言われている。富士山の雪解け水が湧き出し沢山の湧水に恵まれていることから水信仰があったという。

その水神様は竜や大蛇、鰻などの魚の姿で祀られることもあるそうで、三嶋大社の神池にはたくさんの鰻が生息していたことから、鰻を三嶋大社の使者と崇められ社地内での捕獲は固く禁じらていた。

1697年(元禄10年)の「本朝食鑑」には、耳のある鰻がいたという記載があり明神の使いが化けたのかもしれないという。この耳うなぎ伝説は千葉、山梨、東京あたりでも言い伝えがあるのだそうだ。

それがいつしか三島のうなぎを捕って食べると大明神の神罰が当たると言い伝えられ、三島の人々はうなぎを食べなったのだそうだ。もし鰻を捕らえる者がいれば、神罰を受けて毛のない首の長いつるつるの児が生まれると言い伝えられて来たそうだ。

また、三嶋大社の守護神である右内、左内神社の右内神社は別名「うなぎの宮」「うなぎの森神社」と呼ばれていたそうで明治の初め頃までうなぎを食べない習慣があったのだそうだ。この右内神社には「宇米津の池」があり、冬になるとこの池に上流から鰻が集まり冬越えをすると言われていたという。

時代は進み明治維新。薩摩、長州の兵隊達が三島に宿泊した時、言い伝えを知らない兵士が争ってうなぎを捕まえて食べてしまったそうだ。それを見ていた三島の人々は何の神罰も当たらないと知り、それ以来、三島の人々も食べるようになったと言う。

■三島のうなぎが人気のわけは?■

やはり水と関係があるようだ。三島市では水道水の水源を伊豆島田水源と全国の名水百選にも選ばれている駿豆水道を水源としている。全て地下からの富士山の伏流水で、昔から「化粧水」といわれるほどの名水である三島の水は分子が小さく酸素を多く含んだ活水。この富士山の伏流水がうなぎの旨さを最大限に引き出すという。

市内のうなぎ屋さんでは、この湧水を地下40mからくみあげ、うなぎを2~3日打たせることで、余分な脂がとれその身はキュとひきしまり臭みのない味となるのだそうだ。この水はごはんを炊くにもお吸い物にも使われるため、一品一品が三島ならではのこだわりの鰻なのだそうだ。

そして高度成長期時代の旅行ブームで伊豆観光、箱根観光の拠点として三島観光も知られるようになる。

さらに浜松のうなぎの養殖も盛んな時期であり静岡と言えば浜松であり鰻であり。同じ静岡ということで三島でも鰻が求められるようになったのだそうだ。

三島の鰻を推進する三島市商工会議所には「うなぎのお宿」として商工会議所敷地内で鰻を飼育している。警戒心の強い鰻は最初、餌をやってもなかなか食べなかったそうだ。また、うなぎのまち岡谷と連携して「寒の土用丑の日まつり」も実施している。

協力:三島商工会議所

三島商工会議所のホームページ
http://www.mishima-cci.or.jp/

2015.05

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