うなぎ屋さん探訪292~東京都台東区「やしま」

うなぎは大好物である。

JR御徒町駅を降り新御徒町駅方面へ歩くこと10分ほど。住所的には元浅草、蔵前のあたり。シャッタが閉まっている会社も多いが、このあたりは下町の町工場が多い。

新御徒町駅近くのやしまへ行く。店内はテーブル4卓、座敷6卓。下町のおばちゃん風の店員さんにテーブル先に案内される。親戚のおばちゃんの家といった雰囲気だが内装も綺麗にしてある。なんだかホッと落ち着くお店だ。

この雰囲気で気も緩み、瓶ビールをお願いする。プレミアムモルツの小瓶だ。お通しには納豆?かと思ったが煮大豆にワサビと青のりが添えられている。これがなかなかいいツマミになる。

メニューはうな重上2900円より。それと特上3500円に2種類とシンプルだ。グレードで鰻の大きさが違うとのこと。それぞれ香の物と肝吸いが付く。他には蒲焼、白焼き、やっこや板わさなどのおつまみ系がある。

そしてメニューには、当店はご注文をいただいてから活鰻を裂いているためお時間かかることご了承くださいとある。そして一人前一本づつ使用していると書いてある。これは嬉しい、一杯やりながらのんびり待つことにしよう。残念ながら特上は売切れとのこと、うな重上2900円をお願いする。

店主が鰻を裂きはじめるのが厨房の隙間から見える。やっこと冷酒を注文。冷酒は兵庫のお酒、くだりものだ。やっこはおろし生姜と小ネギが添えられた木綿豆腐。一人でちびちびやりながら待つ。こういう時間って貴重だと思う。

待ってる間にお客さんも来る。30代くらいの女性のお一人様。いきなり、冷酒に上うなご飯少なめでと注文している。常連さんなのだろう。

座敷席の予約のお客さん、50代くらいの男女
どうも夫婦ではないようだ。雰囲気は逢引っぽい。

近所の奥さんが出前用の竹かごを美味しかったと言いながら返しに来た。

さらに40代くらいの女性のお一人様、どうも女性客に好まれるお店のようだ。周囲のお客さんを観察しながら待つ。しょうもないおっさんなのだなあと思う。

待つこと30分、うな重登場。皮はやや主張があるが、柔らかく川魚の風味あり。身はやや厚め、フワッとトロッとした身だ。程よい脂ののり、川魚の風味が出ている。タレはキリッとした醤油系辛め。鰻の甘み旨味とあっさりタレが合う。ごはんはやや柔らかめ好みとしてはもうちょっとかための方が好みだ。裂きたての肝吸いも風味がよい。

都内で裂きたてをいただけるのは珍しい。会計の時にちょっと店主に話を聞いてみた。この地で創業31年目になるという。ずっとこのスタイルでやってますんで、と。活鰻から裂いて出すのは大変な仕事でしょうに、なんとも謙虚な店主なのでございます。

やはり鮮度は大事なんですな。別の鰻屋の店主に聞いたことがあるが、どろくさいってのは脂が酸化したものだそうだ。事前に白焼きまで済ませても、いかに脂の酸化を抑えるか考えるところなのだそうだ。これからも裂きたてのスタイルを続けていただきたいと思う。

探訪日:2014.08

「やしま」
所在地:東京都台東区小島2-18-19
定休日:日曜・祝日・土曜不定休

・お店のホームページ

・食べログでのお店の詳細情報。
https://tabelog.com/tokyo/A1311/A131101/13024325/

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