うなぎは大好物である。
夕方より亀戸で打ち合わせ。早めに家を出て、秋葉原で用足し。外出をしたら鰻にしたいところ。日本橋富沢町の「との村」さんに歩いていくことにする。13:00近くだがまだやっているだろうか。
秋葉原駅東口を出て、岩本町駅方面へ靖国通りを東に歩く。馬喰町界隈、この辺りは古くは呉服問屋で賑わっていたようだ。現在でも織物問屋街であり、店頭に服飾類が並ぶが
小売りはしないとの掲示がある。プロフェッショナルが集う街のようだ。
馬喰横山駅方面に向かう。東日本橋の交差点を曲がり、小さな路地にとの村はある。
暖簾は出ているやっているようだ。東京都中央区日本橋「との村」さんを探訪する。
店内はカウンターのみ6席。カウンター内にはご主人と女将さん。ご主人はかなりの高齢とお見受けする。奥には厚さ20センチはあるであろう木製のまな板と目打ち。
メニューはシンプル。うな重上2200円から、特上は2800円。肝吸いは別で100円。他には漬物、ビール。うな重特上と肝吸いをお願いする。
周辺の街の雰囲気、店内や店主の雰囲気、昭和が残る。出来上がりまでおとなしく待つ、静かにゆったりとした時間が流れる。店主は半外の焼き場で仕事をする。夏場はたいへんな仕事場になるだろうと想像する。
女将さんが漬物を出してくれる。白いのはべったら漬けなんだけど甘くて嫌だったら残してねと。下町のばあちゃんの家を思い出す。漬物は種類豊富でボリュームがある。奈良漬がうれしい。蒲焼の焼ける香りがしてくるころ、吸い物が出される。肝は小ぶりながら濃厚カツオだしと柚子の風味があり、やや濃いめだ。
待つこと25分、うな重登場。皮はやわらかく、身はやや厚め。プリくにゅっとした身は、適度な脂のノリでジュワっとジューシーだ。舌触りは少々荒いが、地焼ならではの、うまみのつまった感じだ。ガス焼きながらも、見事な焼き加減。タレは醤油系辛め。地焼には甘めのタレが合うかと思っていたが、辛めのタレのバランスも良い。ご飯もかためでちょうど良い。辛めのタレでご飯もすすむ。銀座の地焼きとも違うから面白い。
重箱が空になるころには、まかない昼食時のようだだ。女将さんが店主のために玉子丼を作る。会計時に名刺をいただき、女将さんと軽くお話をする。店主は黙々と玉子丼を食べている。鰻屋での女将さんが愛想のよい確率は高い。
東京では貴重な地焼鰻のお店。店主と女将さん元気でいてほしいものだと、思いながら店を出る。店周辺は独特な雰囲気の路地長屋が残る、街に歴史ありのようだ。噛めば噛むほど味わいのある鰻と町並みなのだ。
夕方の打ち合わせ場所を目指す。店を出てると、スカイツリーが見える。久しぶりに下町散歩、森下、菊川を通過し錦糸町まで歩く。リライトしている2020年現在は閉店となっているそうで残念。長い間お疲れ様でした。御馳走様でした。
探訪日:2012.03
「との村」【閉店】
所在地:東京都中央区日本橋富沢町14-5
定休日:土日祝
・お店のホームページ
・食べログでのお店の詳細情報。
https://tabelog.com/tokyo/A1302/A130204/13019891/
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