夏に滋賀を訪れた時に鱧会席をいただく機会があった。関東ではあまりなじみのない鱧だが京都では夏と言えば鱧であり鯉のあらいなどと並んで、ありがたい夏の季節料理なのだそうだ。
同席の方に伺うと京都地方では、夏には断然、鰻より鱧なのだそうだ。
うなぎ目として鰻、鱧、穴子は仲間なのだが、食文化の違いが面白い。
鱧の茶わん蒸し。食感は鰻に近くトロッとしている。
鱧落し。鱧の湯引き。氷の上にのってくるイメージだが出汁に浸かっているのは鱧ちり風なのかな。
鱧の照焼。子供の時には夏になると鱧の蒲焼が楽しみだったという。鰻ほどジューシーではなく、あっさりとサッパリとした照り焼き。
鱧葛打ち。鱧に下味をつけてくず粉か片栗粉をまぶし、軽く茹でたもの。葛たたきとも言うのだそうだ。出し汁とともにつるっといただく。
琵琶湖西の川島酒造「藤樹」大吟醸。しっかりとした日本酒感がある。
鱧料理、あっさりと上品な料理だ。鱧の調理には相当な技術を要するようで一寸あたり25回程度包丁を入れることができて、やっと一人前と認められるのだとか。そして骨切りという技術で小骨が気にならずに鱧をいただけるのだそうだ。
京料理、奥が深い。
2014.8
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