うなぎは大好物である。
遠州鉄道第一通り駅から西へ居酒屋などが集まる繁華街方面へ。しにせ通りを歩くと、左手になんとも昭和レトロな店構えの、うなぎ曳馬野(ひくまの)さんがある。店内も見えないので、ちょっと入りにくい雰囲気はあるが、一杯飲みたい、ビールが飲みたい。静岡県浜松市「鰻料理専門店 曳馬野(ひくまの)」さんを探訪する。
引き戸を開ける、店に入る。入口右手のちょっと隠れたテーブル席に座る。出張仕事もひと段落、ビールが飲みたい。
瓶ビールをお願いするとヱビスの瓶。お通しにカツオの塩辛、オリーブの塩漬け、もめん豆腐に醤油とオリーブオイル。店の雰囲気とは違ってお洒落なお通しだ。BGMにはスロージャズが静かに流れる。
喉が落ち着いたところで、のんびりとメニューを開く。このメニューの冊子が写真のアルバムで出来ている。写真が大きく見やすく、見ごたえがある。さらに、浜名湖産の天然鰻のこと養殖鰻のことなども書いてあり、ちょっとした読み物だ。天竜川と浜名湖の天然鰻を扱うようだ。天然、養殖のそれぞれの特徴を詳しく記してある。ワインリストもあったりする。今の気分にはピッタリだ、まったり飲みたいのだ。
カツオの塩辛、初めて食べたなあ。少々生臭さと、塩辛いところだが、これは酒がすすむ。みそうなぎ(うなぎの味噌漬け)なんてのがある。しかし今日は品切れとのこと残念。黒はんぺんと釜揚げしらす、肝焼きを注文する。
静岡県ならではの、いいつまみだ。黒はんぺん420円は、おろし生姜とタレ醤油でいただく。釜揚げしらす250円はほかほかで温かい。肝焼き980円は、苦みも気にならず、辛めのタレでいただく。
グラウワインもあるんだ。若い店員さんに蒲焼に合うワインを聞いてみた。赤をおすすめするのだそうだ。本日のグラスワイン赤「キュヴェラトゥールルージュ」をいただく。
飲んだら、ご飯ものはちょっとな気分になるので、蒲焼をお願いする。店主が蒲焼を運んでくれた。盛り付けが独創的な蒲焼だ。フワッと柔らかな関東風蒲焼だ。タレも辛めでキリッとした、いわゆる東京風。
ご主人にいろいろお話を聞いてみた。カウンターにしたほうがよさそうですね?そうしたのだが、厨房設備など一新しなくてはいけないのでコストがかかるのだそうだ。
1952年(昭和27年)養鰻業からはじまり店舗の創業は1965年(昭和40年)で、現在は店舗営業としては2代目となるそうだ。天然の鰻も扱い、浜名湖産と天竜川産では風味や食感、味に個性が出るのだとか。養殖鰻ならではの楽しみ方もあり、それぞれの特徴を生かして提供したいとのこと。鰻の現状については店主にとっても複雑な思いのようだ。
ほろ酔いになったころ、店主が上品なピエール滝に見えてきたのは私だけだろうか。しっとりした雰囲気で独創的な鰻料理と、旨い酒をいただく、浜松の夜でございます。
探訪日:2013.02
「鰻料理専門店 曳馬野(ひくまの)」
所在地:静岡県浜松市中区田町322-3
営業時間:11:30~14:00、17:00~20:00
定休日:水曜日
電話:053-452-3544
・お店のホームページ
・食べログでのお店の詳細情報。
https://tabelog.com/shizuoka/A2202/A220201/22001469/
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