うなぎは大好物である。
うなぎ仲間の方よりメールがあった。
駒込のお店、是非にとのこと。
興味津々、翌日には駒込に向かっていた。
またしても無計画に出かけてしまう。
駒込駅前のアザレア通りをまっすぐ行き
三菱UFJ銀行を左に曲がりまっすぐ行く。
小さな町工場と住宅街、都心なのに静かだ。
店の前に到着した、普通の住宅だ。
開店は12:00とのことだったが、暖簾は出ていない。
あれ、やっちまったか?
いきなりお宅に押しかけるのもなんなので
電話をしてみることにした。
電話には店主が対応してくれた
予約がないと準備をしていないので時間がかかるとのこと。
生きた鰻を調理するので1時間半から2時間かかるとのこと。
お待ちいただけるのでしたら、いまからいらっしゃっても大丈夫ですと。
詳しい調理の過程など説明していただき、とても丁寧な電話対応。
鰻屋で待つことには慣れているものの出直すことにする。
何事も計画的にだ。
後日、日程を改め、予約の電話をする。
店主が丁寧に対応してくれる。
遠いところからスイマセン、お食事のうな重は4500円とのこと
うなぎが高くてスイマセンと言う店主。
日時と氏名と連絡先を伝えて予約をする。
![](https://unatan.net/wp-content/uploads/2020/11/u23601photos.jpg)
翌日、予約をした時間にお店に向かう。
駒込駅前のアザレア通りを抜けていく。
お店の前につくと暖簾が出ていた。
お店の外観からでは鰻屋であることは分かりづらい。
ドアを開けて中に入ると玄関で靴を脱ぐ。
どうみても普通の住居だ。
![](https://unatan.net/wp-content/uploads/2020/11/u23602photos.jpg)
玄関右手に厨房、そのとなりが客席となる。
座卓席6席、カウンター3席。
女将さんに掘りごたつ式のカウンター席に案内される。
掘りごたつの中には一人分の湯たんぽが入っている。
寒くなったこの時期には嬉しい気遣いだ。
店主からは遠いところわざわざありがとうございますと。
![](https://unatan.net/wp-content/uploads/2020/11/u23604photos.jpg)
メニューはない。
うな重は予約の時に聞いた通り4500円。
基本的には電話などで予約をして
予約時に内容と予算など相談するスタイルだ。
店主お任せで、予算に合わせて旬の食材でお出しするとのこと。
厨房では鰻を蒸す工程に入っている。
![](https://unatan.net/wp-content/uploads/2020/11/u23603photos.jpg)
こちらのお店では、生蒸しの蒲焼にこだわる。
一般的には裂き、白焼き、蒸し、本焼きとなるが
生蒸では、裂き、蒸し、本焼きとなる。
江戸時代からの伝統的な調理法にこだわる。
なんどか来ていただいて、お客さんの好みがわかってくれば
地焼などの関西風の蒲焼もできるとのこと。
店主と話しをしながら待つ、飽きることはない。
店内に古い写真を見つけた。
先代が上野でツグミの店を営業していた。これが店名の由来。
戦後は鶏肉の焼鳥なんか贅沢品なのでツグミを焼鳥で食べていたのだそうだ。
昭和40年頃、店主が田端にツグミと鰻の店をはじめた。
そしてこちらの駒込の店は、もともと住居であり
現在は駒込のつぐみ庵として営業している。
鰻が蒸しあがり、焼に入る。
カウンターでは店主と話をしながら
出来上がりまでの作業を見ることができる。
焼台の前で真剣な顔つきになる店主。
鰻の小骨を抜いている。
女将さんが店主の作業に合わせ
お重を準備したり、飯を盛ったり、
息の合ったサポートをする。
こうして、うな重が出来上がっていく。
![](https://unatan.net/wp-content/uploads/2020/11/u23605photos.jpg)
うな重登場。
綺麗な色と照り、身の姿が美しい。
皮は薄めで柔らかい、身はやや厚め
表面をややパリと仕上げてある。
ミルフィーユ状態の皮と皮下のゼラチン、身が
口の中で溶けていく。
フワッとトロッと柔らかすぎず、
これが生蒸ゆえのトロ身なのか、なんとも絶妙だ。
![](https://unatan.net/wp-content/uploads/2020/11/u23606photos.jpg)
タレは醤油系控えめ。
ご飯の炊き加減、熱さともちょうど良い。
全体バランスの良い、やさしいながら
しっかりした、ボリューム感も感じる。
この感じだと、お代わりがしたくなってしまう。
目の前で骨を抜く作業を見ているだけに
まず小骨が・・ということはない。
![](https://unatan.net/wp-content/uploads/2020/11/u23607photos.jpg)
壁に貼ってあるのは宮内庁御用達?いや御用無しだ。
いろいろな洒落、遊び心がいっぱいなのだ。
食後もお茶をすすりながら、しばらく話し込んでしまう。
店主にどこかおいしい店はありましたか?と聞かれ
どこの店も美味しいんです、同じ鰻を扱うのに
店によって出来上がりが違うのに興味があるんですと。
お店によってこだわりも違いますからねと、ご主人。
![](https://unatan.net/wp-content/uploads/2020/11/u23608photos.jpg)
夜、一杯やりながら来たいお店だ。
人生いろいろ、お店もいろいろ。
伝統の職人気質とこだわりの、一焼入魂のうな重でございます。
一日10食程度しかできないのも納得だ。
女将さんのさりげない気遣いもありがたい。
予約は必須でございます。
探訪日:2013.11
「活鰻の店 つぐみ庵」
所在地:東京都北区中里1-29-1
定休日:月曜日
・お店のホームページ
・食べログでのお店の詳細情報。
https://tabelog.com/tokyo/A1323/A132301/13080463/
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[…] (画像は「活鰻の店 つぐみ庵」) […]