うなぎ屋さん探訪130~群馬県館林市「町田うなぎ店」

うなぎは大好物である。

恒例になった佐野厄除け大師。
今年は後厄も終わったので、お礼参りに行く。
館林駅で東武佐野線に乗り換えるのだが現在11:00。
ちょっと早いが、ここで昼食にすることにする。
館林は”ぶんぶんく茶釜”とうどんの地らしい。
駅前の観光案内所のおばちゃんに食事処を聞いてみた。
うどん屋マップを渡された。
自分的には佐野参りには鰻が恒例なんだが。
試しに観光案内所のおばちゃんに鰻屋を訪ねてみると。
観光客向けの綺麗なお店はこっちなんだけど
地元で鰻が好きな人はこちらへ行くようですよと。
徒歩で15分くらいだろうか、地元の方に教えてもらった
群馬県館林市「町田うなぎ店」さんを探訪する。

店内には小さな活けすがある。
テーブルは4卓、右に厨房、その隣は引き戸で仕切られた居間がある。
店内と居間が隣接しているお店は古い店ではよく見かける。
店内もメニューもシンプルだ。
うな重1,600円、うな丼上並、鯉のあらいある。
重と丼は中身は同じ、重だと食べづらいというお客さん向けに
丼があるのだそうだ、なるほど実用的だ。


肝吸いは別150円。
うな重と肝吸いを注文する。
注文を受けた後に鰻を割き始めた、厨房は丸見えだ。
静かな時が流れる、そして大人しく待つ。

待つこと25分、うな重登場。
身の表面はパリパリとした仕上げ。
皮は柔らかい。
身は厚め、トロッとした身と皮目の脂がジュワッとくる
ボリュームのあるタイプだ。
タレはみりん系甘めだが、くどい感じではない。
ご飯はもうちょっと硬めの炊き加減が好みだが、許容範囲。
肝吸いの肝は大きく柔らかい。
旅の途中のうれしいうな重だ。

以下は店主との雑談。

昔は利根川で鰻が採れたのだそうだ。
利根川の近い館林には古い鰻屋が多い。
鰻が採れても、井戸水が出ないと店は出せない。

現在の利根川は、ブラックバスなど外来種や川の水質汚染により
川の生態系が変化して、鰻どころか川魚がいなくなったのだそうだ。
魚が採れたとしても、1週間は餌を与えないで井戸水につけておく
そうしないと、臭くて食用には向かないのだとか。

店主は二代目。
親父の代から、割きたて、焼きたてを守って引き継いでいる。
割きたてを出すのは時間がかかるんだよね。
急にお客さんがいっぱい入ってきたりして
嬉しいんだけど、正直対応できなくて待たせちゃう。
作り置きは身がパサつくのでやらない。
でも、お客さんから遅いと言われることもあり悩む。
手間暇かけても儲からないんだよね(笑

親父の代では、土用丑の日には店を閉めた、まともに対応できないから。
今はやっている、やっぱり商売しなくちゃ食っていけないんで。
でも、えらい体力勝負だ。
真夏の丑の日は午前4時頃から仕込んで焼いて・・・これを一日中やる。
一日中、火の前に立ってるだよね。
ウチのカミさんなんか、夏場は厨房には近づかないよ(笑
ちょっと外に散歩に出ると
商店街の仲間から、サボってんじゃないよ・・・なんて
声かけられたりしちゃって、たまんないよね(笑

鰻の仕入れ価格も高騰してきてるらしい。
かといって、そう簡単には値上げできないでしょ。
困っちゃうよね・・・。

でもね、帰り際にお客さんに”うまかったよ”なんて言われると
嬉しくなっちゃうんだよな(笑

二代目若店主の悩みはつきない。
小一時間くらい話をしただろうか。
ぜひ、うなぎ文化を守っていただきたいと切に願います。
旨いうなぎをありがとう。

探訪日:2011.03

「町田うなぎ店」
所在地:群馬県館林市西本町7-11
定休日:火曜

・お店のホームページ

・食べログでのお店の詳細情報。
https://tabelog.com/gunma/A1002/A100204/10006832/

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