うなぎ屋さん探訪369~千葉県大多喜町「川の家」

うなぎは大好物である。

ちょっとお疲れが溜まると湯に浸かりたくなる、奥房総養老渓谷温泉郷へ久しぶりの一泊二日、超プチ湯治の旅。

うなぎブログなのになんで温泉の話?なのだが、養老渓谷温泉郷には11軒ほどの旅館があるが、そのうちの数件で夕食に鰻の蒲焼を出してくれるのだ。そして常時、鰻の蒲焼を出す夕食プランのある温泉旅館「川の家」(かわのや)さんが本日のお宿。

宿泊当日に直接お話を伺いたかったのだが、その日は満館で料理人も兼任しているためお会いできずメールで、なぜ鰻蒲焼を出すようになったのか教えていただいた。

「川の家」さんは創業45年になるという、現在の館主は二代目。実はつい最近までは養老渓谷の他の旅館でも鰻の蒲焼を提供していたのだそうだ。各旅館もプランの多様化や鰻の価格の高騰等の事由で提供しなくなったのかも知れないという。

ここ養老渓谷は、温泉地としては歴史の浅い地域で各旅館も長くて3代目程度なのだそうだ。そして特にうなぎの蒲焼で有名な地域でもないという。昭和30年、40年代の各旅館の創業当時は、交通事情も悪く食材の流通も悪かったため、地域で採れた山菜や川魚を使った料理を提供するしかなかったのだそうだ。

山菜の煮物、鯉の洗い、鯉こく、はやの甘露煮。その中の一品として鰻があったのだという。鰻の焼き方も創業以来「蒸し」の工程がないのだそうだ。その理由は分からないが、好みによるが地焼きの工程の方が、より鰻の旨味を味わえるのではないかという。タレも創業当時からの継ぎ足しで使用しているとのこと。

事前にこのようなお話を伺ったので、予約時に夕食の蒲焼を半尾1500円を追加していただいた。

宿にたどり着くにはこのトンネルを抜けなければならない、こういう素掘りのトンネル好きだなあ。トンネルを抜けると、川がありその川べりに一軒だけ「川の家」がある。部屋からは川が眺められ、遠くに川の音を聞きながら静かにくつろげる宿だ。

さっそく風呂に入りたい。まだ、先客はいない。いま、湯を張り終えたところだそうだ。宿の敷地に源泉がある。

養老渓谷名物「黒湯」といわれる重曹泉。炭酸を多く含む、PH値は8.3。いわゆる美人の湯、美肌の湯と呼ばれる泉質。身体が芯まで温まる。

夕食まではまだ時間がある。ひと眠りする。

夕食は別室の個室となる。既に刺身や煮物が用意されている。瓶ビールで一杯やる。

鮎の塩焼き。焼き加減もよい、冷めないうちに食べたい。

野菜のてんぷら。これも揚げたてを出していただける。

そして鰻の蒲焼。地焼のややプリッとした食感。ジューシーで柔らかな身。甘辛のやや濃いめのタレ。温泉宿で鰻の蒲焼が食べられるとは幸せを感じる。満足した後に再び温泉。そして、早々に寝てしまう。

翌朝はちょっと早めに起床し養老渓谷を散歩する。川沿いに遊歩道があるので散策にはよい。

そして朝ぶろ。男女入れ替わり、洞窟風呂。やはり先客はいないのでのんびり温泉を堪能できる。とにかく静かな宿だゆっくりできる、好きな鰻が食べられる。一泊二日であるがリフレッシュできた。

最後に館主からのメールには、まだ当館の鰻の蒲焼の歴史が浅いので、、こだわり等大口は叩けませんが、地道に提供し続けることで、こだわりや更に美味しい蒲焼を提供していきたいとのことだった。館主のひたむきさ、謙虚さがよく表れている一文であった。

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探訪日:2015.10

「川の家」
所在地:千葉県夷隅郡大多喜町葛藤932
定休日:不定休

・お店のホームページ
http://www.kawanoya.net/

・食べログでのお店の詳細情報。
https://tabelog.com/chiba/A1206/A120601/12029373/

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