「くだらない」の語源はこれだった!?

元禄時代(1688年-1704年)時の将軍は徳川綱吉。
江戸幕府ができて約百年がたつ頃。

江戸の開拓のために全国から人・物資が集まり
独身男性の比率が多く、飲食業も盛んになってきた頃のようだ。
いわゆる気っ風がよい粋な江戸っ子の誕生もこのころのようだ。

腹を空かせた江戸っ子独身男性が夕刻、仕事を終え
屋台の鰻屋に立ち寄る。
このころの鰻屋の店構えは建物などはなく
床見世(屋台)のようなものだったそうだ。

「よっ、おやじ一杯くんな!」
「へい、旦那。」
「おっ、蒲焼もやいてくんな!」
「へい、旦那。」

この「よっ」とか「おっ」とかが江戸の下町では挨拶がわりだ。

「ここの酒はうめえなあ、なんて酒だあ?」
「へい、旦那。伊丹の下り酒、剣菱でさあ。」
「もういっぺえくんな!」

宵越しの銭はもたねえ江戸っ子はよく呑みよく遊び。

下り酒とは、江戸時代に上方で生産され、大量消費地である江戸へ運ばれた酒のことだ。
鰻屋では伊丹(兵庫)の剣菱が呑まれていたようだ。
上方からくだらない酒を下らない酒と呼んだそうで
現在の「くだらない」の語源になっているとか。

剣菱酒造の創業は1505年(永正2年)、当時は稲寺屋と称していた。
江戸で評判になるにつれ、江戸の人々が(剣菱と)呼称し、
結果として商標名になっていったとのことだそうだ。
1740年(元文5年)に八代将軍吉宗の御膳酒に指定された。

先日、リカーショップで剣菱を見つけたので買ってみた。
見つけたのは黒松剣菱900ml瓶。
そんな歴史のある酒にゃ鰻だよなあ。

スーパーで愛知三河産の蒲焼を購入980円なり。
身についたタレを落として、ひつまぶしのように刻む。

フライパンに、たまり醤油とみりん同割のタレをつくり
さっと熱を通す、これやりすぎると味がおちる。
鰻はちょっとプリッとしていたほうが酒の肴として好きだ。


刻んだ蒲焼をフライパンに入れ、溶き卵を落とす。
それで「うなたま」完成だ。

剣菱、やや辛口ながら豊潤な日本酒感。
ややしっかりボディだが、すっきり飲みやすい酒だ。
これにまた、たまり醤油たれのうなたまが合うじゃないか!
鰻屋で一杯もよいが、のんびり気楽に自宅で鰻もいいかも。

剣菱酒造のウェブサイト
http://www.kenbishi.co.jp/

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