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養鰻場探訪007~幻のブランド鰻の生産現場、静岡県焼津市「共水うなぎ」さん

うなぎは大好物である。

美味しいうなぎ料理、うな重は、素材である鰻を稚魚から育てあげる養鰻業とお店の職人料理人の技によって成り立っている。今回は、その養鰻業にスポットをあててみる。

幻のブランド鰻と言われる「共水うなぎ」の生産している「株式会社共水(きょうすい)」さんを探訪する。

大井川

養鰻場の場所は、静岡県焼津市。大井川の河口近くに位置している。南アルプスからの奇麗な水が流れている。

共水うなぎ

見た目は普通の養鰻場と変わりはない。事務所内で片岡社長、永井所長、山田部長より概要を分かりやすく説明をしていただく。創業は1955年(昭和30年)、現在は二代目が会社を切り盛りしている。

共水鰻の特徴は、通常の鰻養殖は6か月ほどで出荷となるが、共水うなぎでは平均18ヶ月(12ヶ月~30ヶ月)ほどかけて育てている。

水温、水質の管理をしながら、疑似的に春夏秋冬の環境を作り出し約3か月を疑似1年として、それを4~5回ほど繰り返すという、疑似四季を作ることで、鰻にとって自然に近い環境となり、鰻へのストレスを軽減させるような養殖方法を行っているのだそうだ。

共水うなぎ

早速、生産現場を見せていただく。水は南アルプス由来の大井川伏流水の地下水を使用している。水温16度、ミネラルを含む鮮度の高い水をふんだんに使用している。実は養殖場敷地内には上水道を引いていいないのだそうで、スタッフもこの地下水を利用しているとのこと。私もコップ一杯の水を飲ませていただいたが、身体にスーッと入ってくるような、美味しい水だった。

共水うなぎ

次に池を見せていただく、敷地内には砂利敷の池が32面あるとのこと。池のハウス内に入って最初に感じたことは、他の養殖場より臭いが少ないこと。説明を聞いていくとこれも納得なのだ。

共水鰻の池の特徴は餌場に囲いがある。画像のように餌場から餌の残骸が池に広がらないように、池の水質を奇麗に保つ工夫がされている。さらに糞などの汚れた水は池の中心に集まるように池が設計されていて除外する工夫があり、こまめな池の清掃も行っているとのこと。常に池の水を綺麗で新鮮な状態に保つ努力をしている。これがハウス内に入ったときの臭いにもつながっているのだろう。

共水うなぎ

疑似四季内で水温の調整や鰻の生育段階でプランクトンの状態も変化し池の水の色も変化するのだそうだ。画像では分かりにくいが青っぽい色になっている。

共水うなぎ

こちらの池は少々緑がかっている。

共水うなぎ

立て場で出荷を待つ共水うなぎたち。こういう生産現場を見ると鰻は工業製品ではなく生き物なのだということを改めて思う。

共水うなぎ

出荷される共水うなぎ、色が奇麗だ。ベテランのスタッフさんに話を聞くと、鰻の世話をしながら常に鰻と対話しているのだそうだ。鰻と人間がリンクできたと感じた時は、自分たちも満足ができるいい鰻に仕上っているのだそうだ。

共水うなぎ

特別に試食をさせていただいた。採れたて、割きたて、焼きたてというなんとも贅沢なシチュエーション。通常の養殖ウナギはオス化するなかで珍しくメス化した鰻が混じっていたようだ。右上がオス化、左下がメス化した白焼き。見た目の違い無いが柔らかさや脂感など身の質の違いはある。どちらが美味しく感じるかは個人の好みだろう。やはりこれは白焼きで何もつけづにいただきたい。共水うなぎ独特な優しい甘みのある鰻の風味が楽しめる。

 

共水うなぎ

株式会社共水が目指す鰻とは、美味しくて皆が笑顔になる鰻なのだそうだ。水質と鰻愛、養殖の職人によって育てられた鰻が、優しい香りと旨味のある身、上品な脂感の鰻となるである。

お忙しい中、お時間を作っていただき感謝申し上げます。

うなぎ愛好会が探訪した、共水鰻を使用しているお店の記事リスト。

・栃木県栃木市「せしも」
https://unatan.net/?p=5217

・群馬県前橋市「うな久」
https://unatan.net/?p=4047

・東京都千代田区「秋本」
https://unatan.net/?p=2308

・東京都中央区「高嶋家」
https://unatan.net/?p=2430

・東京都中央区「大江戸」
https://unatan.net/?p=1403

・東京都台東区「亀屋一睡亭」
https://unatan.net/?p=4978

・東京都台東区「のだや」
https://unatan.net/?p=3746

・東京都渋谷区「花菱」
https://unatan.net/?p=2000

・東京都渋谷区「松川本店」
https://unatan.net/?p=2903

・東京都豊島区「大塚宮川」
https://unatan.net/?p=4373

・東京都港区「重箱」
https://unatan.net/?p=3542

・東京都豊島区「ぞろ芽」

・千葉県市原市「八幡屋」
https://unatan.net/?p=6537

・埼玉県さいたま市「山崎屋」
https://unatan.net/?p=73

・千葉県松戸市「にし村」
https://unatan.net/?p=3717

【うなぎ愛好会ブログ】
https://unatan.net/

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「株式会社共水(きょうすい)」
所在地:静岡県焼津市藤守2799-1

・お店のホームページ
https://kyosui-unagi.com/

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