うなぎは大好物である。
恒例になった佐野厄除け大師。今年は後厄も終わったので、お礼参りに行く。
館林駅で東武佐野線に乗り換えるのだが現在11:00。ちょっと早いが、ここで昼食にすることにする。館林は”ぶんぶんく茶釜”とうどんの地らしい。駅前の観光案内所のおばちゃんに食事処を聞いてみた。うどん屋マップを渡された。自分的には佐野参りには鰻が恒例なのだが。試しに観光案内所のおばちゃんに鰻屋を訪ねてみると。観光客向けの綺麗なお店はこっちなんだけど、地元で鰻が好きな人はこちらへ行くようですよと。徒歩で15分くらいだろうか、地元の方に教えてもらった、群馬県館林市「町田うなぎ店」さんを探訪する。
店内には小さな活けすがある。テーブルは4卓、右に厨房、その隣は引き戸で仕切られた居間がある。店内と居間が隣接しているお店は古い店ではよく見かける。店内もメニューもシンプルだ。うな重1,600円、うな丼上並、鯉のあらいある。重と丼は中身は同じ、重だと食べづらいというお客さん向けに丼があるのだそうだ、なるほど実用的だ。
肝吸いは別150円。うな重と肝吸いを注文する。注文を受けた後に鰻を割き始めた、厨房は丸見えだ。静かな時が流れる、そして大人しく待つ。
待つこと25分、うな重登場。身の表面はパリパリとした仕上げ。皮は柔らかい。
身は厚め、トロッとした身と皮目の脂がジュワッとくる。ボリュームのあるタイプだ。
タレはみりん系甘めだが、くどい感じではない。ご飯はもうちょっと硬めの炊き加減が好みだが、許容範囲。肝吸いの肝は大きく柔らかい。旅の途中のうれしいうな重だ。
以下は店主との雑談。
昔は利根川で鰻が採れたのだそうだ。
利根川の近い館林には古い鰻屋が多い。
鰻が採れても、井戸水が出ないと店は出せない。
現在の利根川は、ブラックバスなど外来種や川の水質汚染により、
川の生態系が変化して、鰻どころか川魚がいなくなったのだそうだ。
魚が採れたとしても、1週間は餌を与えないで井戸水につけておく
そうしないと、臭くて食用には向かないのだとか。
現在の店主は二代目。
親父の代から、割きたて、焼きたてを守って引き継いでいる。
割きたてを出すのは時間がかかるんだよね。
急にお客さんがいっぱい入ってきたりして、嬉しいんだけど、正直対応できなくて待たせちゃう。作り置きは身がパサつくのでやらない。でも、お客さんから遅いと言われることもあり悩む。手間暇かけても儲からないんだよね(笑
親父の代では、土用丑の日には店を閉めた、まともに対応できないから。
今はやっている、やっぱり商売しなくちゃ食っていけないんで。
でも、えらい体力勝負だ。
真夏の丑の日は午前4時頃から仕込んで焼いて、これを一日中やる。
一日中、火の前に立ってるだよね。
ウチのカミさんなんか、夏場は厨房には近づかないよ(笑
ちょっと外に散歩に出ると、商店街の仲間から、サボってんじゃないよ、なんて
声かけられたりしちゃって、たまんないよね(笑
鰻の仕入れ価格も高騰してきてるらしい。
かといって、そう簡単には値上げできないでしょ。
困っちゃうよね・・・。
でもね、帰り際にお客さんに”うまかったよ”なんて言われると
嬉しくなっちゃうんだよな(笑
二代目若店主の悩みはつきない。
小一時間くらい話をしただろうか。
ぜひ、うなぎ食文化を守っていただきたいと切に願います。
旨いうなぎをありがとうございます、ご馳走様でした。
探訪日:2011.03
「町田うなぎ店」
所在地:群馬県館林市西本町7-11
営業時間:11:00~19:00
定休日:火曜日
電話:0276-72-1163
・お店のホームページ
・食べログでのお店の詳細情報。
https://tabelog.com/gunma/A1002/A100204/10006832/