うなぎは大好物である。
養蚕で反映し利根川の水運、鎌倉街道など交通にも恵まれた群馬藤岡の柏屋旅館は、絹の取り引きを行なう絹宿として江戸時代創業より操業している。当時、内陸でご馳走と言えば鰻であり旅館の食事としても提供していたのだそうだ。旅館の近所には三井越後屋の絹糸買付の屋敷もあったのだそうだ。
駐車場に車を駐車し蔵の横の入り口を入っていく。この蔵は1879年(明治12)と1892年(明治25)に建てられた蔵で先代の時に明治時代の蔵を復活させてうなぎ屋としても営業をはじめた。
重厚感のあるお店の入り口を入るが誰もいない。入口の内線電話で客が来たことを知らせると現在14代目となる館主が出迎えてくれる。こういう時期なのでミニマムに営業してるとのことで常時店舗に人がいないことが多いのだそうだ。
通されたのは、1879年(明治12)に建てられたという蔵を再生したという店内。黒光りした柱と漆喰の白がオシャレなコントラストを演出する。
柱には明治12の新聞がさりげなく飾られている。蔵席の奥には当時の資料や書籍などの貴重な資料の展示もある。
こちらは対面にある蔵のお席。蔵にあったという大きな屏風が飾られている。
こちらは14代目館主さんに特別に案内してもらった蔵の二階。照明をつけることもできるのだが、この控えめに入る自然光の雰囲気がよいのである。座卓に並んでいる書物は蔵にあったものを時々並べているのだそうだ。先々代が文化に造詣が深い方だったようで、明治時代の文学書や文人が書き記した日本史など貴重なものが並べられている。こういう古の話しは聞いていてロマンがあり妄想が膨らむ。
あまりにも蔵の雰囲気がよかったもので、蔵についてばかりをレポートしてしまっているが、肝心な鰻の話しに戻そう。メニューはグレードによって鰻の量が違う。半身の半鰻重から上うな重、さらには特上二段重まである、一品料理は肝焼き、白焼き、うざく、生湯葉の刺身などが楽しめる。上うな重をお願いして静かな蔵の中で大人しく待つ。
待つこと20分、うな重登場。鰻の産地は浜松。浜名湖の丸浜の新子をいただく。こういう時期でミニマム営業をしているため作り置きはしておらず注目をうけてから割いて蒸して焼き上げているとのこと。
新子とのことだがなかなか厚みのある身。薄く柔らかな皮には上品な脂のノリ。うなぎの身の甘さが伝わる、それを引き立てるさりげない地場の醤油を使用しているという旨コクのタレ。
ご飯の炊き加減も好み、蒲焼、タレ、ご飯のバランスよく、雰囲気も良く美味しくいただけるうな重だ。藤岡地域には松村としての店名での暖簾分けの店もあるのだそうだ。旅館としては営業を自粛しているようだが宿泊をしてみるのも良いかもしれない。
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「柏屋四郎右衛門」
所在地:群馬県藤岡市藤岡55 柏屋旅館内
営業時間:11:00~14:00、17:30~20:00
定休日:無休、日曜日の夜は休み
電話:0274-22-0006
・お店のホームページ
http://www7.wind.ne.jp/kashiwaya/index.htm
・食べログでのお店の詳細情報。
>>いつもご覧いただき、感謝申し上げます。
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