うなぎは大好物である。
志村坂下の賑わいのある商店街からは、ちょっと離れたところに創業1975年(昭和50年)「鮒与」さんがある。一軒家住宅風の建物だが、暖簾が出ているので鰻屋だと分かる。本蓮沼の鮒与(鮒與)が本店のようだが、その関係は今後調べてみたいところだ。
店内はカウンター5席、テーブル1卓、小上がり12席ほど。初老の夫婦が営んでいる。カウンターの下には文庫本、本棚には絵本などが置いてある。なるほど、時間がかかるための気遣いのようだ。メニューにも、注文してからご飯を炊き、うなぎを焼きはじめるため30~40分ほど時間がかかるとある。
メニューは、舌代として、うな重(松)2500円より(竹)3000円、(梅)3500円、(特上)4000円となる。他にはうなぎ茶漬け、蒲焼、白焼き、肝焼きと、ちょっとした酒の肴がある、シンプルなメニューだ。グレードでうなぎの大きさが変わるとのこと。(竹)3000円肝吸い付をお願いする。
店内に貼られた、ボケない五箇条が面白い。
そして「春夏冬二升五合」うなぎ昇りの掛け軸。久しぶりに見た気がする、これ「商いますます繁盛」と読む。「春夏冬」で秋がないから商いと読み、「二升」で升升だから、ますますと読み「五合」は半升なので繁盛と読むのだとか、縁起物ですな。
カウンター内の調理場を見ると鉄なべでご飯を炊いている。これで炊くおこげご飯が好きだったなあ。電気炊飯器ではそうはいかない。こういう雰囲気、どこかホッとしてくつろげる。
待つこと30分、うな重登場。皮は薄く、パリッと仕上げてある。身は普通の厚みだが、表面をややサクッと仕上げてある。パリッとサクッとした食感で中はトロッと柔らかい。わりとボリューム感のあるうなぎだ。タレは、醤油系辛めのサッパリしたタレだ。やや焼強めで炭の香りとともに香ばしい。ご飯はかための炊き加減で好み。タレとご飯でいけそうだ。
のんびりした時間が流れる店内、丁寧な仕事でいただくうな重でございます。帰り際、店主に炭の世話が大変ですねと声をかけると、お客様が来てくれないと金をくべているようなものだよと笑いながら応える、粋な店主なのだ。
探訪日:2015.03
「鮒与」
所在地:東京都板橋区志村1-15-7
営業時間:11:30~13:30、17:00~20:30
定休日:月・木曜日
電話:03-3967-8790
・お店のホームページ
・食べログでのお店の詳細情報。
https://tabelog.com/tokyo/A1322/A132205/13077197/