うなぎは大好物である。
地焼のひつまぶしが食べたい。麻布に名古屋特有の「地焼き」という伝統の調理法で、うなぎを食べさせてくれる店があるようだ。六本木ヒルズから下ったダウンタウン、麻布十番。老舗の和菓子屋、お洒落なカフェ、居酒屋などが集まった賑やかな街だ。
麻布十番商店街の真ん中、きみちゃん像のある交差点。場所的にはこのあたりなのだが。十番うなぎはなぶさの看板を発見。看板には「はなぶさへお越しのお客様は501を押してください。」とある。ビル入口のオートロックのボタンを501と押す。インターホン越しに「どうぞ」という返事が返ってきた。そして、オートロックの自動ドアが開く。なんだか隠れ家的な鰻屋さんだ。
一人エレベーターに乗り、5階で降りる。エレベーターを降りるとすぐ、店の入り口だ。店内は江戸カラーを基本にした和風モダンな内装、テーブル席で15席ほどか。店内にらせん階段があり、一つ上の階は個室のVIP ROOMとなっているそうだ。気さくで上品な雰囲気の女将さんが接客してくれる。窓際の席に案内される、夕暮れ時の麻布十番の街が見下ろせる。BGMはスロージャズが静かに流れている。
メニューは、プチひつまぶし2800より。ひつまぶし4800円、上ひつまぶし5800円、特ひつまぶし9300円。うな丼シングル3000円、ダブル4800円、トリプル5800円。うなぎの量でお値段が変わる。他には、おつまみとして白焼き、三河牛ヒレ肉などがある。ランチコースは5000円から、はなぶさ特選コース8000からもある。メニューには写真もあり、分かりやすい。そして、女将さんが蒸さない名古屋風地焼について解説をしてくれる。
仕事もひと段落したところ、ビールでも飲むか?いや、この雰囲気はワインか。グラスワイン赤をお願いする。お通しには、鰻の骨せんべい。
揚げた鰻の骨だが、甘めのタレが少々かけてある。なかなかよい。ひつまぶしをお願いする。麻布十番の街を見下ろしながら、ワインで一杯。なかなか気分がよい。
ワインが無くなるころに、ひつまぶしの薬味などが運ばれる。そして間もなく、ひつまぶしが登場。お櫃の蓋を開けると、うなぎがびっしりと敷き詰めてある。ひつまぶしをいただくときのお約束?一杯目:お茶碗にうなぎとご飯をよそり、そのままいただく。二杯目:お茶碗にうなぎとご飯をよそり、薬味とわさびをお好みでつけていただく。三杯目:うなぎご飯をお茶漬けにしていただく、薬味とわさびもお好みで。
とりあえず、一杯目。お茶碗にうなぎとご飯をよそる。皮は薄くパリッとしている、身の表面をややサクッと仕上げてある。身の厚みは普通だがフワッと柔らかい。このパリサク感を楽しみたい。そしてタレは名古屋系甘辛甘めの濃厚なタレだがくどすぎない。
二杯目は薬味を添えて、子ネギ、わさびと刻み海苔。パリッとサクッとした地焼の鰻だけでいただくのもよいが薬味とともにいただくのも好きだ。
さて、三杯目。お茶漬けにするにはまだ早い。ふたたび、薬味とともにいただく。つい、地焼の鰻ばかりを食べてしまいご飯が残る。ここで出し汁をかけて、お茶漬けとしていただく。食べ方は人それぞれのお好みでよいと思う。漬物に奈良漬けが入っているのは嬉しい。
ひつまぶしは刻まれた鰻でお櫃の中を敷き詰めるがうな丼は刻んでいない鰻が丼にのる。この雰囲気の中では、談笑しながら、ふつまぶしでいろいろな食べ方をするのもよいかもしれない。女性客が多いのもなるほどだ。東京で名古屋風のひつまぶしがいただけるのは珍しい。蒸さない地焼の鰻がいただけるのも珍しい。
関東の蒸したうな重も魅力がある。蒸さない地焼の鰻のうな丼にも魅力がある。そして、ひつまぶしにも魅力がある。お好みで選んでいただくのがよいだろう。
※記事は移転前の記事です。
探訪日:2015.02
「はなぶさ」移転後
所在地:東京都港区麻布十番2-7-11 はなぶさビル 2F・3F
営業時間:11:30~15:00、17:30~22:00
定休日:年末年始のみ
電話:050-5869-8619
・お店のホームページ
http://jyu-ban-unagi.com/
・食べログでのお店の詳細情報。
https://tabelog.com/tokyo/A1307/A130702/13138142/