うなぎは大好物である。
川口郊外で打ち合わせ。蕨駅まではバスでアクセス。こういう交通の便の悪いところの打ち合わせが多いのだ。昼前だ、このところ運動不足もあり、埼京線の戸田駅まで歩くことにする。蕨駅前西口からの商店街を歩く。古い商店街だが、シャッターは閉まっていない。金物屋、日用品店、洋品店、看板を見ているだけでも面白い。
15分ほど歩くと国道17号線だ、国道の一本手前の道が旧中山道蕨宿だそうだ。商店街と旧中山道の交差点に、うなぎ屋さんがあった。旧中山道時代からの老舗らしい。「うなぎ今井」さんを探訪する。
一階は2人用テーブル5卓、二階は個室座敷が何部屋かあるようだ。店内を見回すと骨董屋のようなレトロな建材だ、いまでは、珍しい黒電話も見ることができる。鋳物の街川口が近いからなのか、鋳物の灰皿が置いてある。
特に二階はうなぎを焼く煙で燻されたのか、床板、階段などは絶妙なテカリを出し、黒光りしている。しかし、汚いというわけではなく、古いものを実に大事に使っている感じだ。どうやら、力士が通うお店でもあるようで、壁には日本相撲協会の大入り袋や、力士の手形があちらこちらに張ってある。
上うな重2800円を注文する。他には、”おひつ”や”いかだ”など興味をひくものもがある。
初回なのでスタンダードのうな重にする。
待つこと20分、うな重登場。皮は弾力があり柔らか、身は超厚めフワトロ、表面はパリッと仕上げてあり、なかはトロッと柔らか、少々プリッとした食感もあり。脂がノリノリでボリューム満点だ。タレは甘辛系濃い目、ご飯の炊き加減も硬めでちょうど良い。肝吸いの肝もプリッとしていてうまい。
正午を過ぎると、続々とお客さんが入ってくる。注文しているのは皆、”いかだ”だ。通常の蒲焼は胴体を半分に切ってあるが、”いかだ”というのは、エラから尻尾まで切らずにそのまま、焼いてありご飯にのっけてあるやつだ。中部地方でいうところの長焼きになる。しかも、一日5食の数量限定品である。うお~、”いかだ”にすればよかったかああああ。まあ、次回のお楽しみにしておこう。
会計時に厨房を覗くことになるが、、活きうなぎを捌いているのが見える。店も活気があって、元気が出る気力の充電ができるお店である。この2人用ちゃぶ台も粋である。店を出て、近くに民俗資料館があったので、立ち寄ってみた。蕨は織物と宿場で栄えた町らしい。
探訪日:2009.03
「うなぎ今井」
所在地:埼玉県蕨市中央5-17-2
営業時間:11:30~14:00、17:00~20:00
定休日:日曜日
電話:048-431-2020
・お店のホームページ
・食べログでのお店の詳細情報。
https://tabelog.com/saitama/A1102/A110202/11003433/