うなぎは大好物である。
その後、秋葉原、携帯にメールや電話が入り、雨の路上で対応。いつもは鳴らない携帯なのに、なんだか今日は忙しいなあ。
さて、帰るかと思ったが、しっぽりビールが飲みた気分だ。せっかく都内まで来てるからと南千住に立ち寄ることにした。南千住と言えば鰻好きの人はだいたいピンとくるだろう、1868年(明治元年)創業老舗の「うなぎ尾花」さんを探訪する。南千住の駅を降り、雨の中常磐線沿いの路地を入っていく。店に入ると、元気な店員さんに迎えられる。ふだんなら行列だろうが雨の日だからか待たずに入れた。げた箱に靴を入れ、札をもらう。その札は案内されたテーブルの上に置いておくことになっているようだ。
メニューを見ると、3000円、3500円、4000のうな重がある。まんなかの3500円のうな重を注文する。肝吸いは別料金350円だ。お楽しみのビールを注文、中瓶はラガー、小瓶はスーパードライとなる。いまどき、小瓶がある店は珍しい、小瓶をお願いする。一人で飲むにはちょうど良い量なのだ。お通しに葉物の漬物が出てくる、これをつまみに一杯やる。蒲焼は最初の注文時に言っておかないと、追加注文は出来ないシステムのようだ。お土産用蒲焼も最初の注文時に言っておかなければならないのだ。
店内は畳の大広間に和卓が並ぶ、旅館の食事処のようだ。あたりを見回すと、老夫婦の姿もあり、一人手酌酒をする男性もチラホラ。旅館のような大広間での一人手酌酒はなんだかカッコよく見えるねえ。
あばちゃんの接客も気持ちがよい、細かいおせっかいイヤイヤ、ホスピタリティ充実。
細かい気配りの接客だ。常磐線の通過する音も心地よい。さりげなく、調理場の様子も見える、職人さんたちの活気があるねえ。ビールを飲みいい気分になり、調子に乗って日本酒熱燗を注文する。この雰囲気は日本酒熱燗でしょう、普段燗酒など飲まないのだが
そんな気分になってくる。気取らない店だよねえ。
待つこと40分、うな重登場。お重ではなく丼の器で登場だ。皮は柔らかトロトロとする。身はやや厚めだが極限的に柔らかトロトロ。しっかりと蒸し上げたトロトロうなぎの決定版だな。タレは甘めあっさり系。ご飯はやや柔らか目だが許容範囲。これだけトロけるのに、箸で絶妙に持てるのがスゴイ。
この柔らかな蒲焼を焼き場で仕上げる技術も凄い、焦げ目がなく見た目が美しい。ほろ酔い気分のまったりゆっくりした時間が流れる。これが下町の粋ってやつなのかねえ。いや下町の粋はこんなにだらだら飲んでたらいかんサクッと飲んで帰るのが粋なのだ。外は雨だ、もう少し店内でゆっくりさせてくれ。
探訪日:2009.03
「尾花」
所在地:東京都荒川区南千住5-33-1
営業時間:11:30~13:30、16:00~19:30
定休日:月曜日・火曜日
電話:03-3801-4670
・お店のホームページ
・食べログでのお店の詳細情報。
https://tabelog.com/tokyo/A1324/A132401/13003509/