うなぎは大好物である。
どうも腰の調子が悪い、なんだか冷え症になっている。低体温だと免疫力が落ちるらしい。初めての湯治に行ってみることにする。関東圏でプチ湯治プランもある四万温泉に行くことにする。湯治は二泊三日以上くらいしたほうが効果的らしい。そんな話をしているときに実母も腰が痛いと言っている。湯治に誘ってみたら、ついていくと言う。そんなことでなぜか親子で湯治に出かけることになった。
四万温泉の積善館本館のプチ湯治プランにしてみる。この積善館は、あの千と千尋の神隠しのモデルになったとも言われている温泉宿だ。宿に到着するとなるほどあの赤い橋がある。そして風情ある建物とやわらかい湯だ。草津の「仕上げ湯」と呼ばれているらしい。
到着してから温泉三昧、少しずつ体の内部から暖まってくる。さて温泉宿と言えば豪華な食事なわけだが、この湯治プランは低カロリーの食事が出される、まさに治療のための温泉宿なのだ。
湯治二日目、昼食は各自とることになる。旅館前の赤い橋を渡り、温泉街を散策して昼食処を探す。賑やかではないが、なんだか懐かしい感じの温泉街。店がなくなるあたりに湯むしうなぎの文字を見つける。湯の宿旅館くれない、食事処が併設されている。朝晩と低カロリーなヘルシー食なので昼くらいはと。
1935年(昭和10年)に創業の四万温泉の旅館くれない。店内はテーブル2卓、小上がり4卓。
小上がり席からは川を眺めながら食事ができる。湯むしうなぎとは、温泉の湯でうなぎを蒸すのだそうだ。メニューはシンプル。湯むしうな重2850円。温泉雑炊、やまめ・イワナの塩焼きなど。とりあえず、湯むしうな重をお願いする。
四万温泉超辛口純米酒くれない、オリジナルの酒だそうだ。気分は完全にオフだ、昼から一杯やってしまおうか。昨晩は呑んでいないし。そして、くれないの焼豚も気になり注文。おしゃれな冷酒用の入れ物とともに登場。なかなかのキリッとした辛口のお酒だ。
たまには日本酒もよいものだ。
ほろ酔い気分になったころ待つこと25分、うな重登場。皮は薄目で柔らかい。やや厚めの身は、フワッとトロッとしている。温泉で蒸してあるのかと思うとちょっと特別な気分になる。
ちなみに四万温泉の泉質はナトリウム・カルシウム-塩化物・硫酸塩泉。効能としては入浴時は胃腸病・神経痛・リウマチ・皮膚病・擦り傷・切り傷など飲泉時には胃腸病・食欲増進とある。タレは醤油系辛めだが濃すぎず、薄すぎず酒のアテとしてもいける。脂のノリもほどよく、ボリューム感も感じる。全体的にはあっさりバランスのよいうな重だ。
肝吸いの肝はプリッとしていて、椎茸が入っている。
くれないの焼豚は、焼石に焼き豚が盛られ、たっぷりのネギがのる。しつこくない焼き豚、ネギとタレとともにいただくと酒もすすむのである。こんなところで、一杯やりながら鰻を食べられるとは思わなかった。そして、また積善館で温泉療養をするのである。
二泊三日の短期間の湯治ではあったが、三日目の帰るころには体の内部から暖まっているのを感じた。重たかった腰もちょっと軽くなり、気分的にも回復したようだ。あなどれない、温泉パワー、湯治の力。
探訪日:2013.11
「くれない」
所在地:群馬県吾妻郡中之条町大字四万4143-2
営業時間:11:00~14:00
定休日:不定休
電話:0279-64-2006
・お店のホームページ
https://www.unaginow.com/
・食べログでのお店の詳細情報。
https://tabelog.com/gunma/A1004/A100403/10001232/