うなぎは大好物である。
仕事の帰り道、地下鉄で押上駅に降りる。地上に出るとスカイツリーを真下から見上げることになる。まだ時間も早い、浅草方面へ歩くことにする。江戸時代に開削された北十間川沿いに行く。
浅草通りをちょっと横道にそれて吾妻橋へ。その吾妻橋のたもとに明治2年(1869年)創業の
江戸前つくだ煮屋「海老屋總本舗」本店がある。ちょっと覗いて、鰻の大和煮があるのでお土産にする。
この吾妻橋、当時は大川橋と言われていたようだ。現在では度重なる瀬替で隅田川となっっているが、江戸時代には吾妻橋から下流を大川と呼んでいたそうだ。
あえて大川沿いに下り、駒形橋を渡る。駒形橋の上から屋形船が見える。橋を渡ったたもとに駒形「前川」さんがある。創業は文化・文政期というから1804年から1829年ということになる。元川魚問屋から鰻料理屋へと変わったのだそうだ。間近に大川をのぞむことから屋号を「前川」としたそうだ。嘉永5年(1852年)の江戸前大蒲焼番付表では、東前頭14枚目に登場する人気店だったようだ。東京都台東区駒形「前川」さんを探訪する。
ひっそりとした雰囲気の店舗周辺。重たいガラス戸を開けると番頭さんが迎えてくれる。
靴を預けて、二階へ案内される。広い座敷広間に大川側には大きな窓。座卓は9卓ほど、好きなところへどうぞとのこと。他にお客さんはいない、大窓の真ん中に座ることにする。
窓の外、下を見れば大川に屋形船の粋な風景。上を見上げれば、アサヒビールビルと巨大なスカイツリー。なんだか不思議な風景だ。
仲居さんがお茶とメニューを運んでくる。メインメニューはコース料理のようだ。
お飲み物はと聞かれるが、うな重が食べたいと伝える。グレードはお値段別で三種類、重量が違う、大きさが違うとのこと。天然鰻に近いと言われているブランドの養殖鰻「坂東太郎」を使用しているとのこと。
他には、うまき、肝焼き、うざくなどの鰻料理と、茶わん蒸しやお造りなどもあり。うなぎのつくだ煮、うな茶まである。ワインのメニューもあり酒類も充実。天然鰻は去年(2012年)は一度も入荷がなかったのだそうだ。肝吸い、お新香、水菓子の付いた4,095円のうな重をお願いする。
次第に暗くなっていく外を眺めながら、待つこと15分うな重登場。皮は弾力があり厚め、身はやや厚めで柔らかい。ほどほどの脂のノリ。タレは醤油系辛め。ご飯の炊き具合はちょうど良い。お値段からすると、もう少々ご飯の質がよいとありがたい。
肝吸いの肝はクニュっとした食感、カツオ出汁。お新香にはからしなすが入る。水菓子でサッパリとする。
お江戸観光、大きな窓から新東京名所スカイツリーを間近で眺めながらいただく鰻料理のお店でございます。一階の窓口にてお会計。4095円也。
「前川」
所在地:東京都台東区駒形2-1-29
営業時間:11:30~21:00
定休日:無休
電話:050-5589-9710
・お店のホームページ
http://www1.odn.ne.jp/unagimaekawa/
・食べログでのお店の詳細情報。
https://tabelog.com/tokyo/A1311/A131102/13003666/